2016年09月24日

クルト・ザンデルリンク、ブルックナー/交響曲第3番

このところステレオ部屋で音楽をゆっくりと聴ける環境でなくなったけれど
変わらず愛用のメモリプレーヤで音楽を楽しんでいます。

昨年は図書館で借りたCDをメモリプレーヤに移して聴いていましたが、
最近はずいぶんと以前に手持ちのCDを録音したものを聴き返していて、
とくにこの頃はクルト・ザンデルリンクを集中的に聴いています。

ベートーヴェンの交響曲全集、ブラームスの交響曲全集(旧録音)の流れより
昨日は以下を聴いて、大きな感銘を受けました。

P9244795
P9244795 posted by (C)fronte360

ブルックナー/交響曲第3番(1889年版)
 クルト・ザンデルリンク指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

これまでも書いてきたとおり当方はブルックナーの良い聴き手ではなくて、
版の違いやここがこうでなくては…そんなこだわった聴き方にはまったくの無知。
ですが、この演奏はパワーもあるけれど、細部をしっかりと描き込んでいて、
パワフルな響きだけれど響きが綺麗に整理されて、美しいですね。

若い時期のザンデルリンクさん、ブラームスの交響曲でも感じましたが、
終楽章で猛烈なアッチェランドかけて盛り上げても、きちっと整理された音楽を、
綺麗に響かせる統率力が素晴らしい。

メモリプレーヤで聴いていることもあり、スピーカーで聴くのと違って、
細部まで聴き込めるから余計にそう思うのでしょうが、
このブルックナーではフレーズを繰り返しながら綿々と歌い込んでゆくさまや、
大きな起伏でしっかりと盛り上ってゆく音楽にのめり込んでしまいました。

聞いた話では、ブルックナーが第二次大戦後にドイツで流行したのは、
敗戦に打ちひしがれたドイツ国民が繰り返しの多いブルックナーの曲を聴き、
痛手を癒していたから・・・そんなことも理解できる気がしました。
いつまでも聴いていたい、音楽の中に身を置き続けていたい・・・

やはり力強くも美しい音楽が素敵ですね。


posted by fronte360 at 06:54| Comment(3) | TrackBack(0) | 16-LP/CD音楽(Classical) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする