日本の現代音楽マイブームは続いていて、最初に採り上げた「日本戦後音楽史」
このCDに黛敏郎の「音楽の誕生(1964年)」という曲が含まれていて、
久しぶりに黛敏郎のことを思い出した。
「題名のない音楽会」の司会者として毎週TVに出ていましたし、
ゴールドブレンドのCMで違いが分かる人として一般にも有名な作曲家でした。
手元にある黛敏郎の音楽では、先のCDに収められた曲の他は、
代表作「涅槃交響曲」のCDがあるだけですが、これがまた難解で。。。
買ったはいいが、ほとんど1〜2回聴いて挫折してましたが、今回を機に再挑戦。
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岩城宏之指揮 東京都交響楽団、東京混声合唱団
第1楽章 カンパノロジーT
第2楽章 首楞厳神咒(しゅうれんねんじんしゅ)
第3楽章 カンパノロジー II
第4楽章 摩訶梵
第5楽章 カンパノロジー III
第6楽章 終曲(一心敬礼)
カンパノロジーとは、CD解説では「梵鐘を鋳造するにあたって合金の割合や
温度などの技術を研究する学問のことである。それにより響に差があり
その世界では各派それぞれ門外不出の秘法とされているという。」と書かれて、
それと音楽の結びつきが解らず・・・挫折してました。
梵鐘を打つ音を録音し、音響分析を行って倍音構成や位相の変化などを採譜、
鐘の音をオーケストラで再現しようとしているのですね。
要するに梵鐘を一度打ってもゴ〜ン・ウォン・ォン・・と響きが反響・減衰、
そのことのようです(黛の言うところの「カンパノロジー・エフェクト」)。
第1楽章、オーケストラが音をずらしながら反復しているのが梵鐘の響きで、
なるほど冒頭など荘厳な鐘の音に聞こえてきました。
第2楽章が仏教の声明、これがまた荘厳で素晴らしく、壮大かつ深淵な仏教世界。
鐘の音と仏教の声明が繰り返されるカンタータであったのだと気づかされました。
さすが代表作と言われるだけある作品なのがなんとなくですが解ったような
気がします。
黛敏郎追悼コンサート:涅槃交響曲
岩城宏之指揮 東京交響楽団、東京混声合唱団