2013年11月26日

高知大学交響楽団 第54回定期演奏会

日時:2013年11月24日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:高知市文化プラザかるぽーと・大ホール

曲目:グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
   ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26
(アンコール)J.S.バッハ/無伴奏パルティータ第2番
   ステンハンマル/交響曲第2番ト短調 作品34
(アンコール)オーノコウヘイ(漢字不詳)/グラデーション
(アンコール)J.シュトラウス/ラデツキー行進曲

独奏:吉川安子(vn)

指揮:小笠原暁

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創団50周年を迎えた昨年の定期演奏会をもって16年間指導されていた池田俊さんが名誉指揮者に退かれ、新生高知大学交響楽団としてスタート。 ステンハンマルの交響曲第2番という意欲的なプログラムでしたが、フレッシュな感覚でメリハリを持った演奏で見事に演奏しきったのに感服しました。 学生時代より係わっておられたという小笠原暁さんの指揮のもと、キレもよく一体感のある充実した演奏でした。

各パート間の連携やバランスも良かったですし、何より第1楽章の冒頭が実にカッコ良く始まって、一気に最後まで聴かせた、そんな感じがしました。 確かに事故(ミス)も散見されましたけれど、果敢に攻めた前向きな演奏の結果であったので気になりません。 そして終楽章のフィナーレでは、沈着冷静に振り分けていた小笠原さんも少々熱っぽくなられていたようです。 落着きながらも粘り気も出し、じっくりと溜め込んだ終結は見事でした。 一呼吸おいて、最初に拍手を贈らせていただきました。

この演奏の前、団長の女性と前半プログラムでコンマスを務めていた先輩(男性)が登場。 曲紹介とともにスウェーデンと高知大学・高知大学交響楽団との結びつきの解説もあり、スウェーデンからの交換留学生3名もステージに登場するなど、単なる曲紹介に止まらず、オーケストラと演奏会場との一体感を醸成させるなかなか良い試みであったと感じました。 これで曲への親近感もぐっと増したことは間違いないでしょう。

これに先立って演奏された「ルスランとリュドミラ」序曲は、フレッシュかつストレートな演奏でした。 集中力を高めて走りきった、という感じかな。 各パートのソロがやや薄く響いてオケとも溶け合わないのは、練習量の差でしょうね。

高知在住のヴァイオリニストでオケのトレーナーでもある吉川安子さんを迎えてのブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、オケの響きは厚みと深み増して覇気ある伴奏となり、吉川安子さんとの一体感がよく感じられた演奏でした。 第3楽章、明るくフレッシュに盛り上がり、吉川さんのソロも情感漂わせつつも力強く弾いて、元気を頂いた感じがしました。

アンコールには高知大学交響楽団のOBのよる「グラデーション」という曲のフル・オーケストラ・バージョン。 オーノコウヘイ(漢字不詳)さんもキーボードを弾かれて参加。 優しくも雄大な自然をテーマとした曲でしょうか、そんな感じがしました。

最後はラデツキー行進曲、手拍子でオケと一体となってのお開き。 今後の活躍を期待したいと思います。 これからも頑張ってください。

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簡単に演奏会を振り返ってみたいと思います。

昨年秋の高知旅行で偶然見つけた高知大学演奏会、そこでアンケートを書いたら招待状が来ました。 当初、今年秋は11月2〜4日の日程でしたが、仕事の都合などもあり今年秋の高知旅行は22〜24日に変更となし、演奏会と日程が合いました。 はりまや橋近くの「かるぽーと」へと足を運びました。

このホールには始めて入りましたが、新しく綺麗なホールですね。 正面は3階席、両サイドの席は5階まであって、奥行きは短いけれど天井の高いのが特長でしょうか。 2階席中央右側の最前列 1列-26 に陣取りました。 天井が高いのでやや音が上に抜けてしまうかな、と予想しましたが、確かにそんな感じで少々デッドな響きのホールのようです。

定刻、ブザーが鳴るのがちょっと昔風で違和感あり。 こんな綺麗なホールなのでメロディが流れるような工夫が欲しかったところですが、これはオケとは関係ありません。 左右より整列入場にてオケのメンバーが登場。 会場より暖かい拍手が鳴りやみません。 オケの編成は通常配置で 12-10-9-7-5 でしょうか。 コンマスが立ち上がってチューニングを実施して準備完了。 指揮者の小笠原暁さんが、やや緊張した面持ちで静かに登場し、指揮台の前で一礼をして登壇。 いよいよ始まります。

「ルスランとリュドミラ」序曲、フレッシュかつストレートな演奏でした。 集中力を高めて走りきった、という感じだったでしょうか。 的確に降る小笠原さんの指揮に合わせて、走る、といった感じ。 早いフレーズもきっちりと弾いているのですが、各パートのソロなどやや薄く響いてオケとも溶け合っていない感じなのですね。 ホールの音響もデッドな感じなのも影響しているでしょうが、練習量の差と感じました。 それでも集中力を切らさず、最後まで見事に演奏しきっていました。
なお、ヴァイオリン奏者の中には香南ジュニアオーケストラの方5名も参加していて、皆さんしっかりと弾いておられたのが印象的でした。

オケの弦楽器メンバーが刈り込まれてジュニアオケの方が抜けたようで、9-6-9-7-5 の編成となりました。 そして高知在住のヴァイオリニストでオケのトレーナーでもある吉川安子さんが、タイトな真っ赤なドレスに身を包んで登場。 まずはオケの各弦楽器1プルト方々に握手をしてから、客席に向かって一礼をして始まったブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。 オケの響きは先と比して厚みと深み増し、覇気ある伴奏となりました。 そして何より吉川安子さんとの一体感がよく感じられた演奏でした。

第1楽章、ティムパニのトレモロ、柔らかな木管アンサンブルによる上々の滑り出し。 安川さんも深みのある音で入ってきましたが、少々フレーズの最後の音程が怪しかったかな。 それをオケが重厚感ある響きで盛り上げてゆきますが、どうもソロがやや潤いの少ない響き。 小笠原さんはソロによく併せオケを的確にコントロールしています。 クライマックスとなって、吉川さんも油が回ってきたみたい、オケとともにパワフルに昇りつめてゆきました。

アタッカで第2楽章となると吉川さんのソロ、伸びやかになって艶が断然増してきました。 オケの弦楽器の分奏もしみじみとして、むせび鳴くようなソロも相俟って見せ場を形成。 素晴しかった。 ただオケの管楽器のソロが入るとやや音量が大きくでバランス悪く感じたのが少々残念でしたけれど。 雄大なホルンが入ったあと、じっくりと歌ってこの楽章を終えました。

第3楽章、ヴィオラのトレモロより徐々にオケが音量を上げて明るくなると、ソロも明るく歌いますが、少々音がかすれ気味かしら。 少々テンポを遅くとって歌います。 オケだけになって、力増して勢いつけて盛り上がってゆくフレッシュさがいいですね。 ソロも情感漂わせつつ吉川さんのソロも情感漂わせつつも力強く弾いて、一体感のある演奏となって、元気を頂いた感じがしました。 そしてフィナーレ、ストレートにキレ良く進めて駆け抜けました。

15分間の休憩。 団長の女性と前半プログラムでコンマスを務めていた先輩(男性)が登場。 曲紹介とともにスウェーデンと高知大学・高知大学交響楽団との結びつきの解説が始まりました。 少々慣れないやり取りに会場内はかえって和んだみたい。 そしてスウェーデンからの交換留学生3名もステージに登場。 単なる曲紹介に止まらず、オーケストラと演奏会場との一体感を醸成させるなかなか良い試みであったと感じました。 これで曲への親近感もぐっと増したことは間違いないでしょう。

解説が終るちょっと前よりオケのメンバーがステージに入ってきました。 11-12-8-9-5 の編成のようです。 解説を終えると、先輩は1ヴァイオリンの第2プルト、団長さんは楽屋にマイクを置いてからトランペット席に着席。 コンミスが立ち上がってチューニングを行って準備完了です。 指揮者の小笠原さんが登場していよいよ始まります。

第1楽章、小笠原さんの軽いハナ息とともにヴィオラとチェロが明るく深みのある響きで勢い良く歌います。 響きにはコクもあって素晴しい響きに魅了されました。 そしてメリハリを付けて進め、実にカッコ良い音楽に仕上がっていたに驚かされました。 素晴しい。 落ち着いた深みのある木管の響き、雄大でかつタイトなホルンの響き、弦楽器の分奏も良く、コントラバスもこれまでの曲よりも厚みのある響きです。 密やかさもありますが、若々しく明快な曲運びとして聴きやすい。 そして各楽器が歌って織り成す響き、想いの籠もった演奏で、色々な楽器が特徴的に扱われているのもよく分かる見事な演奏でした。

第2楽章、ヴィオラの静謐な響き、チェロが絡んで神秘的な開始。 落ち着いたヴァイオリンも入ってきました。 凜としたオーボエ、落ち着いたクラリネット、ゆったりとしてやや粘り気を持たせています。 小笠原さんの的確が棒捌きで丁寧に進めてゆき、各パートの響きを織り交ぜ、先の曲と違ってバランスも良く、統率力よく実に見事に纏めていました。 やや単調になるきらいもなきにしもあらずでしたけれど。

第3楽章、深い響きを持ちつつも活気あるメロディで攻めます。 ヴァイオリンのワルツのリズムでしょうか、巧く決めて盛り上げていって、ノリノリって感じ。 これをすっと転換するのも見事。 木管楽器が果敢に攻めていて、前向きな演奏が聴き応えあります。 多少の事故(ミス)はあっても気持ちいいじゃないですか。 弦楽器が加わって、コントラバスのピチカートも良かったですね。 小笠原さん、派手なアクションなどなく確実にテンポを刻み指示を出して進めてゆきます。 若干後半また単調になったようにも感じましたけれど、この楽章とそっと止めました。

第4楽章、小笠原さんの軽いハナ息とともに弦の響きのあとホルンが咆哮。 オーボエ、フルートも加わって雄大な響きのあと粘り強く盛り上げてゆきます。 小笠原さんのキレの良い的確な指揮に合わせてオケが見事に反応、タイトに曲を進めます。 想いの籠もった息づいた音楽です。 オケが一体となっています。 これをすっと止めた転換も見事。 クラリネットが身体を揺らして抑揚つけていましたね。 全休止。 コントラバスのピチカート、クラリネットの深い響きが絡み、徐々にタイトかつ重量感のある響きで盛り上がってゆきますと、小笠原さんも徐々に熱してきたみたい。 左拳をグーにしてホルンに指示。 それでも弦楽アンサンブルは冷静に進めて、スキップを踏むような少しおどけた感じも交えます。 エンディングに向かってトランペットも抑揚つけて吹いて盛り上げ、最後はじっくりと溜め込んだ響きとして落ち着いた着地。 ホールに残響が残った熱演。 フレッシュな感覚でメリハリを持った演奏で見事に演奏しきったのに感服しました。 素晴しい演奏でした。 ホールの響きが消えるのを待ち、最初に静かに拍手を贈らせてもらいました。

アンコールには高知大学交響楽団のOBのよる「グラデーション」という曲のフル・オーケストラ・バージョン。 オーノコウヘイ(漢字不詳)さんもキーボードを弾かれて参加。 優しくも雄大な自然をテーマとした曲でしょうか、そんな感じがしました。

最後はラデツキー行進曲、手拍子でオケと一体となってのお開き。 新生高知大学交響楽団を見たいい演奏会でした。 今後の活躍を期待したいと思います。 これからも頑張ってください。


posted by fronte360 at 05:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 13-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする