2013年07月07日

A・スカルラッティ/スターバト・マーテル

昨夜の豪雨で蒸し暑い空気が入れ替わり、爽やかな朝となりました。
ピアピカのお天気で日差しがまぶしい。 そして今夜は七夕、晴れでしょうか。

休日の朝、ステレオ・メインシステムのある部屋は占拠されてしまったので、
今日はサブシステムで宗教曲のレコードを聴いています。

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アレッサンドロ・スカルラッティ/スターバト・マーテル
 ミレルラ・フレーニ(S)
 テレサ・ベルガンサ(MS)
  チャールズ・マッケラス指揮ポール・ケンツ室内管弦楽団

鍵盤楽器によるソナタで有名なのはドメニコ・スカルラッティ、
アレッサンドロはその父親で、1660年シチリア島生まれ。
ローマで音楽を学んで、ナポリに戻って宮廷楽長などをしたナポリ楽派の始祖。
そのアレッサンドロ・スカルラッティ晩年の傑作「スターバト・マーテル」です。

スターバト・マーテル(STABAT MATER)とは「悲しみの聖母」とも訳され、
磔刑となったキリストを嘆き悲しむ聖母マリアを思う内容の聖歌。
色々な作曲家が作品を作っていますが、やはりペルゴレージのが有名でしょう。

そのペルゴレージのスターバト・マーテルに先立つこと13年前、
1723年に作曲されたのがこのスカルラッティのスターバト・マーテルで、
ペルゴレージと同様の2声と弦楽合奏および通奏低音による編成となっています。

ペルゴレージに影響を与えたであろうスカルラッティのスターバト・マーテルは、
マリアの悲しみをより簡素に伝える音楽であって、これもまた美しい音楽です。
ペルゴレージのほうがちょっと華美に思えるような感じでしょうか、
終曲の2重唱はアーメンの走句によって高揚感を持って曲が閉じられます。
フレーニとベルガンサ、ともに大御所ともいえる歌唱も立派です。

このレコードも昨年8月に高知で捕獲したものです。
そろそろ1年が経ち、今年もまた8月に高知に行くつもりですけれど、
その店には目ぼしいレコードはもうありません。
もっと色々と捕獲しておいたら…と、少々残念に思いながら聴いています。


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2013年07月06日

阪神電車1211生駒山を登る

関東甲信では梅雨明けしたそうですね。
奈良・大阪は雨は降ってませんけど、曇っていて、蒸し暑くて・・・
う〜んん、ここでセミが鳴けば、一気に「夏」って感じなのでしょうがね。

たいてい毎週土曜日は買物に出ますが(俗に言う買い出しってやつです)、
今日の買物帰り、阪神電車の先頭車両に乗ったときのスナップです。

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瓢箪山駅を出ると30パーミルを超える急勾配で生駒山を上ります。
向こうに見えるのは額田駅。

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枚岡駅を出ると右に緩くカーブして石切駅に向かいます。

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今日は曇ってますけども・・・このあたりの車窓が好きです。
遠くにハルカスがそびえ立っています。

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夕陽の時刻もいいですし、夜景がまた綺麗なんですよね。
だだっぴろい関東では、ちょっと拝めない車窓だと思います。

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この時間は単なる都会の風景ですけれど・・・



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8月の関西アマオケコンサート情報

8月に、京阪神奈で開催されるアマオケ関連の演奏会について投稿します。

まだまだあると思いますけど、気付いたところで、個人的に興味あるところをピックアップしています。

この他にもありましたら、本家サイトの掲示板やコメントにて投稿をお願いします。こちらにも転載したいと思います(が、なかなか意気込みに反して動けないのが実情ですが)。

とにかく、出発!!

8/3:MIZUMOフルートアンサンブル 第19回SOLOコンサート
8/9:アンサンブル・ジョワン 第9回定期演奏会
8/11:天理シティーオーケストラ 真夏のオーケストラ!夏休み名曲コンサート
8/11:京都弦楽合奏団 夏の演奏会
8/13:東京大学音楽部管弦楽団 サマーコンサート2013 神戸公演
8/18:タリヘーレ四重奏団 演奏会 in 神戸III
8/18:六甲ヒルズ室内オーケストラ 第2回定期演奏会
8/18:管絃楽団ポリヒュムニア 演奏会
8/18:オーケストラ・ソノリテ 第25回定期演奏会
8/25:吹田市交響楽団 サマーコンサート2013
8/25:天理教音楽研究会オーケストラ 第27回定期演奏会



2013年07月05日

石切散歩・石切劔箭神社上之宮

6月29日、爪切地蔵尊より夢観音堂の前を通って石切劔箭神社上之宮へ。
石切さんと呼ばれて信仰を集めている石切劔箭神社の奥の院になります。

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P6294754 posted by (C)fronte360

夢観音堂の脇の参道を進みますと、本殿への階段が見えてきました。
本社の賑わいと違って、ここは森閑とした落ち着きを感じますが、
ここは本社よりも歴史的に古く、約2660余年前(神武天皇2年)創建。

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江戸時代には上之社・下之社が「河内名所図会」に記載されるなど
2社が存在していたようですけれど、明治40年に本社に合祀されてしまい、
昭和47年(1972年)になって上之宮として再興されたそうです。

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石段を上ると拝殿、ほんとど参拝者もおらず、
「石切上ノ宮」と書かれたお百度石も寂しく立っております。
本社だと何人もの方がぐるぐるとお百度石をまわっておられますが・・・

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なお社殿の前にある四角の石段ですが、御神輿台であるようです。

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上之宮、一種猥雑なエネルギーを感じる石切さん本社とは違った雰囲気です。
少々驚きながらも、以下の看板があったので行ってみることにしました。

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そのために回廊をくぐって本殿を振り返ったら、
アクリルでしょうかパネルに囲まれてますね、壁画を守っているようです。

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2013年07月04日

南沙織、ひとかけらの純情・透き通る夕暮れ

雨ですね・・・ 、梅雨だから当たり前なのでしょうけど、
しとしと降る雨ではなく、集中豪雨でドカっと降るなんて、雨季みたい・・・
これも地球温暖化の影響でしょうか。

とにかく雨なので、雨にちなだ南沙織さまの歌声を聴いています。

Side A
 ひとかけらの純情
  作詞:有馬三恵子 、作・編曲:筒美京平

Side B
 透き通る夕暮れ
  作詞:有馬三恵子 、作・編曲:筒美京平

ファンでないと、タイトルからは「雨」は連想し難いですよね。
でも、同年代の方なら、いきなりコーラスで歌われる以下の歌詞

恋のはじめの日を
誰かここへ 連れてきてほしいの


これでピンとくるでしょう。 そして南沙織さまの歌に続きます。

いつも雨降りなの
二人して 待ち合わす時
顔を見合わせたわ
しみじみと 楽しくて


クラシック音楽好きだった当方にとっては、2番の最初の歌詞

いつもレクイエムを
あの部屋で 聞かされたのね
ぎこちない手つきの
お茶にさえ ときめいて


というのもグッときたりするフレーズです。



この曲も素晴しいのですが、B面が実はもっと素適な曲なんですね。
A面は連呼型で刷り込んでゆく単純さがあるのですけれど、
B面はベースギターから始まるイントロも小粋ですし、
別れ歌を軽々と歌う南沙織さまが素適です。

愛してさよならをして
今もまだ待ち続けてる
待つだけですべては 行くかもしれないけど


とか・・・

思うままに愛したのなら
別れもいい思い出よ
透き通る夕暮れみたい
透き通る目をして また愛していきたい


「透き通る夕暮れ」、これは隠れた名曲です。





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石切散歩・上之宮への道

6月29日、爪切地蔵尊を拝んだだけで帰るのも勿体ないので散策を続行。
まずは爪切地蔵尊のある坂道をちょっと上ってゆきますと・・・道路脇に祠。

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祠には石仏が置いてあるようですけれども、脇にある看板がいいですなぁ。
お出かけはカギかけ 声かけ たのみ合い

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そして祠の中の仏さま、
比較的新しいものですが、右側は地蔵菩薩、左側は・・・如来さんでしょう。
掃除も行き届き、お茶やお花も手向けられて、信仰を集めております。

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さて、ここから先の坂道をさらに上ってゆきますと・・・
石切劔箭神社上之宮への参道、こちらに行くのですけれども、
写真で、木立の向こうに見えるでっぱり、近鉄電車からも見えますが、
ここまで近づいたのは初めてです。 これが、石切夢観音堂。

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P6294751 posted by (C)fronte360

毎月1日と日曜・祝日の昼間だけ開いているようですね。
今日は土曜日なので閉館、もっとも開いていたとしても興味ありませんが・・・

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写真で見えたでっぱりは、天女が舞っているのでした。

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目的地は、このお隣。 石切劔箭神社上之宮。 こちらへ行きます。
しっかし夢観音堂のペガサス、なんかしっくり来ないんですけど、
このごちゃごちゃ感が石切さんらしいといえば、らしいところですねぇ。

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P6294750 posted by (C)fronte360



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2013年07月03日

7月の関西アマオケコンサート情報(追加2)

7月に、京阪神滋で開催されるアマオケ関連の演奏会について追加投稿します。

※7/3(追加)
 7/16:同志社女子大学音楽専攻科 「八重の桜」記念コンサート
 7/20:同志社女子大学音楽学科管弦楽団 オーケストラコンサート

同志社女子大学音楽学科さんも頑張ってらっしゃいます。
7/20のコンサートの指揮者は山下一史さんです。 是非いらしてください。


石切散歩・爪切地蔵尊

6月29日、買い物に出たついでに先日見損なった爪切地蔵尊にリトライ。
近鉄奈良線石切駅より坂道をのぼって、すぐに発見(2度目ですしね)。

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P6294734 posted by (C)fronte360

前回、坂を登って見えている側のお堂の扉より中を覗いただけでした。、

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今回、回り込んで山側のお堂の扉より覗いてみましょう。

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お隣の民家のブロック塀との間に入り込みますと・・・おおっ!! 磨崖仏。

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P6294737 posted by (C)fronte360

爪切地蔵  石切町
この道は辻子(ずし)越と呼ばれ河内から生駒山宝山寺に通ずる重要な交通路であった。
この小堂の中にまつられている地蔵は花崗岩の自然石の面を平らにし、中央に地蔵菩薩の立像、左右下に十王の倚座像を線彫りにした珍しいもので室町時代ごろの作品であろう。 弘法大師が一夜に爪(つめ)で刻んだという伝説がある。


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上の写真は左下の十王です。
下の写真はお地蔵さんのお顔ですね。 手には宝珠を持っているのでしょうか。

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ようやく拝むことができてスッキリしました。

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2013年07月02日

天満橋〜大阪城散歩・大手口

6月22日、天満橋から大阪城の散歩、天守閣・本丸御殿跡を出て桜門、
豊國神社を出てから大手門に戻ることにしました。

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P6224710 posted by (C)fronte360

大手口枡形の巨石
枡形とは白の主要な出入口に設けられた四角い区画のことで、敵の進入を食い止める役割を果たした。 築城技術の進歩にともなって強固な石垣造りのものがあらわれ、大阪城の大手口枡形では城の威容を誇示する巨石が数多く使用されている。 大手門をくぐって正面に位置する大手見付石【おおてみつけいし】は、表面積が約29畳敷(47.98平方メートル)で城内第4位、左の大手二番石【おおてにばんいし】は約22畳敷(35.82平方メートル)で第8位、いずれも採石地は瀬戸内海の小豆島【しょうどしま】と推定されている。 現存する大阪城の遺構は豊臣時代のものではなく、元和6年(1620)から約10年にわたった徳川幕府再築工事によるもので、石垣は将軍の命令を受けた諸大名が分担して築いた。 この箇所は当初肥後熊本藩主加藤忠広【かとうただひろ】が築き、のちに筑後久留米藩主有馬豊氏【ありまとようじ】が改築した。

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P6224707 posted by (C)fronte360

大手口の枡形を抜けて

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P6224706 posted by (C)fronte360

大手門をくぐると大阪城ともさようなら。

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すでに18時を回っているので、影が長くなっていますけれども、
日差しがまだあって、いい散歩を楽しめました。

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P6224712 posted by (C)fronte360


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2013年07月01日

天理シティーオーケストラ 第13回定期演奏会

日時:2013年6月30日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:天理市民会館やまのべホール

曲目:ブラームス/ハンガリー舞曲集より第1番、第3番、第10番
   モーツァルト/オーボエ協奏曲ハ長調 K.314
   ブラームス/交響曲第3番ヘ長調 Op.90

(アンコール)
   J.シュトラウス2世/ピチカート・ポルカ
   J.シュトラウス2世/チック・タック・ポルカ
   J.シュトラウス/ラデツキー行進曲

独奏:浅川和宏(ob)

指揮:安野英之(常任指揮者)

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P6304827 posted by (C)fronte360

誠実さ、ふりかえってみるとそんな言葉が浮かぶ演奏会を楽しみました。
ハンバリー舞曲は、重厚な響きの弦楽アンサンブルを快速に進めるしっかりとした演奏。 何より第3番のオーボエの艶やかな響きに魅了されました。 この日の演奏会、この音色を聴けたことだけでもよかった、ちょっと大げさですけれども、そう思えるほどの音色にうっとりと聞き惚れていました。
大阪フィルの浅川さんを迎えてのモーツァルトのオーボエ協奏曲、高音域の多い華やかな曲ながらも端正な響きできっちりと演奏された感じだったでしょうか。 オーケストラもしっかりとソロを支えて健闘してたのが光っていました。
メインのブラームスの交響曲第3番、じっくりと腰を落ち着けて曲と対峙していました。 すべての楽章が静かに終わって盛り上がらない曲ですが、プレトークでは弱音を美しく演奏する練習を積まれたと言われていました。 そのこともあってか音量が上がる場面でもテンペラメントに燃えることなく、やや淡々と過ぎていった感じ。 終始落ち着いた響きによるブラームスの世界を堪能しました。
そして音楽にもっと親しんでもらいたい、そんな安野さんの気持ちはアンコール曲で爆発。
おどけた安野さんの指揮によるピチカートポルカ、はずんだチック・タック・ポルカ、そしていつものラデツキー行進曲で締め。 会場に来られた皆さん、笑顔になって会場を後にしていました。 開演前のプレトーク、そしてお開きとなったあとはロビーでのアンケート回収と、今回も指揮者の安野さんは大忙し。 これはなかなか出来ることではありません。 そっと頭を下げて会場を後にしました。

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簡単に演奏会を振り返ってみたいと思います。

梅雨の合間の天候に恵まれた一日、久しぶりに天理駅に降り立ちました。 空が広いですね。 もうちょっと早めに家を出られれば、石上神宮や天理参考館にも行ってみたかったのですが、駅前で買い物をして開演20分前にホールに到着。 受付を済ませると、いつもどおり階段を上ってホール後方より入ります。 後ろから2列目のX-27に落ち着きました。

開演15分前、指揮者の安野さんが出てこられてプレトーク。 プログラムに載せていないことなど気楽に聞いて欲しいと、少々砕けた口調なども織り交ぜながら演奏会への期待を高めて下さいます。 ブラームスの交響曲第3番はどの楽章も静かな終わり方をする盛り上がらない曲、演奏し難い曲であるけれど弱音を美しく演奏する練習を積んでこれらたとのこと。 ハンガリー舞曲は3曲演奏するが、この3曲はブラームス自身が自信を持って選んだ3曲であること。 そしてオーボエ協奏曲の楽譜は3つの版の良いとこどりをしてカデンツァは浅川先生の師レイ・スティルのものであることなどなど。

プレトークが終わって安野さんが楽屋に戻られると、暗転した舞台にオケメンバーが出てきました。 対向配置で 8-9-7-5-5 の編成、中低弦が厚くなっていますね。 客席の照明が落ち、舞台の照明が照らされると2ndヴァイオリンの2プルト目に空席がありますが、コンミスが立ちあがってチューニング開始。 チューニングを終えた頃、ヴァイオリン奏者の方も現れて空席が埋まりました。 なお本日は2ndヴァイオリンでトップを弾かれている栄島さんは休演だそうです。 栄島さんの動きは躍動的で見ていて楽しいのですけれど、ちょっと残念。 とにかく準備が整い、指揮者の安野さんがゆったりとした歩みで登場して、いよいよ始まります。

ブラームスのハンガリー舞曲第1番、お馴染みのメロディが重厚なサウンドで始まりました。 やや早めのテンポ設定でしょうね、快速に駆けてゆきます。 コントラバスの響きが芯になって、その周りを柔らかな弦アンサンブルが取り囲んでいる感じでしょうか。 いいですね。 途中、ぐっとテンポを落としてメリハリを大き目につけ、もとの重厚ながらの快速テンポで締め。 掴みはバッチリといった感じ。
第3番、木管の柔らかな響きによる開始から惹き込まれましたが、何よりオーボエのちょっとおどけたようでいて潤いのある音色に完全にノックアウト。 今日はこの音を聴けたことだけでもよかった、ちょっと大げさですけれども、そう思えるほどうっとりと聞き惚れていました。 弦楽器が活躍するとやはり重厚なサウンドに。 大太鼓がズシリとした重い響きで裏打ちをしています。 弦と木管と交互に入って、最後の柔らかな着地も見事でした。
第10番、ここでも重厚な響きが軽快に走って気持ちいいですね。 フルートの軽やかな響きも素敵でした。 安野さん、いつもながら嬉しそうな表情を浮かべての指揮で曲をぐいぐいと走らせ、あっという間にお終い。 大きな拍手に包まれました。

舞台は暗転、管と1stヴァイオリン奏者は退場、指揮台を取ってステージ中央に空間を作ります。 他のメンバーがこの空間を囲むように座り、最後に管と1stヴァイオリン奏者も戻ってきて、7-6-5-4-3 の編成となりました。 コンミスによるチューニングを終えると、浅川さんと安野さんの登場。 浅川さんを中央に送り出して拍手を浴びた後、安野さんが位置について、いよいよ始まります。 安野さんここでは指揮棒を使わず手で指揮をされます。

モーツァルトのオーボエ協奏曲、高音域の多い華やかな曲ながらも端正な響きできっちりと演奏された感じだったでしょうか。 オーケストラもしっかりとソロを支えて健闘してたのが光っていました。
第1楽章、爽やかで柔らかな響きによる開始、コントラバスが芯になった弦アンサンブルが素敵です。 浅川さんのオーボエソロはやや楷書風、可愛らしい響きで奏でていますがちょっと音量控え目だったかしら。 安野さん、しっかりとオケをコントロールして綺麗な響きで支えています。 中盤より油が回ってきたのかもしれませんね、浅川さんの動きもちょっと大きくなりました。 軽やかさが増してニュアンスも増したみたいです。 カデンツァは明るい響きで軽やかに歌って、最後はオケが柔らかく包み込むような着地。
第2楽章、ゆったりと進みます。 浅川さんのソロもしみじみと歌って端正な響きです。 安野さんの指揮によるオケの響きも同様、ソロとの一体感があります。 が、ちょっと色彩感に乏しい感じに聴こえるのは、ホール最後尾で聴いているからだ、ということに気付きました。 そう思って周りを見回してみると居眠りしている人もけっこういらして、ちょっと(かなり)残念。 この楽章もそっと包み込むような感じで終了。
第3楽章、軽やかに浅川さんのソロが歌い出します。 オケも一体となって丁寧に楷書風の演奏で纏めている感じ。 大阪フィルの第1奏者なので、やはりソロ奏者のような華やかさがちょっと乏しいのは致し方ないと思いますけれども、もっと近い位置で聴いていたならば、この響きの中に煌めきなども感じられたのではないでしょうか。 この位置では変な色がついていず、質実とした感じ。 端正に整えられた演奏を最後まで展開されて、オーケストラもしっかりとソロを支えて健闘、丁寧に全曲を纏めました。

15分間の休憩。 お客さんは7割くらい入っているでしょうか。 客席後方は空いていますけど、前の方はけっこう埋まってますよ。 天理市民会館やまのべホール、座席がちょっと広くて座り心地良いのがいいですね。 席でアンケートなど書きながら開演を待ちます。
定刻に近くなると暗転した舞台にメンバーが集合、各自が練習を始めて騒々しくなって期待を高めてくれます。 そして定刻、客席の照明が落ち、舞台が照らされるとコンミスによるチューニング実施。 準備万端整ったので安野さんが登場し、メインプログラムが始まります。

ブラームスの交響曲第3番、じっくりと腰を落ち着けて曲と対峙していた演奏に感じました。 弱音を美しく演奏する練習を積まれたとのこと、そのこともあってか音量が上がる場面でもテンペラメントに燃えることなく、やや淡々と過ぎていった感じ。 誠実の文字が浮かびました。 そして終始落ち着いた響きによるブラームスの世界を堪能しました。

第1楽章、冒頭のファンファーレ、やや抑え気味だったでしょうか、柔らかく奏された開始より端正に進めてゆきました。 主題を繰り返しました。 ティムパニのロールがこのときいい感じでしたね。 そしてゆったりと構えた安野さん、丁寧に進め、しだいに音量を上げた展開部は豊かな弦楽アンサンブル。 再現部ではトロンボーンとトランペットも厚みのある響きでした。 じっくりと間合いを取って進めていったあと、ゆっくりと歩みを止めて上々の滑り出し。

第2楽章、クラリネットの柔らかな響きと裏で吹くファゴットがとても良い開始でしたね。 ほわっとした温かみ、これが良かったなぁ。 凛としたオーボエ、そして明るい響きの弦楽アンサンブル。 この楽章もじっくりと構えられた音楽で、決して急がず、しかもコンパクトに纏って進んでゆきます。 盛り上がる場面も淡々と過ぎてゆくような感じ。 いつもなら弦楽アンサンブルを歌わせる妙を聴かせてくれる安野さんも、今日は指揮棒を縦に振ることに終始しているようで、オケを纏めることに重きを置かれていたみたい。 この楽章、最後までクラリネットの響きに魅了されていました。

第3楽章、チューニングを行って仕切り直してからの開始となりました。 チェロの深く艶のある響きが魅力的な開始。 ゆったりと、でもサラリと歌って進め、透明感のあるヴァイオリン。 これもまたゆったりとしていて、変な色などつけない誠実な演奏ですね。 安野さんはやはり棒を縦に振ってオケを纏め、じっくりと腰を落ち着け、曲と対峙しているとの印象を持ちました。 淡々としながらも心に響くオーボエ、そして艶やかな弦楽アンサンブルが戻ってきて、静かなピチカートで締めました。

第4楽章、少しの間合いでもってアタッカで入りました。 落ち着いた弦楽アンサンブルでの開始。 弾力のあるティムパニが入って、曲は徐々に音量を上げてゆきますけれども、端正さはそのまま。 金管が加わってもテンペラメントに燃えることなどなく、渋い金管の響きがホールを包みます。 そんな嵐が収まると、少しテンポを落としたでしょうか、安野さんここでも指揮棒を上下に振って、じっくりと腰の座った音楽。 これを最後まで押し通しての幕となりました。 終始落ち着いた響きによるブラームスの世界を堪能しました。

アンコールは、クラシック音楽も楽しい音楽もあります、と安野さんが言われて始まったピチカート・ポルカ。 思いっきりタメを作ったり、また指揮台の上でトライアングル演奏をしたりと、見た目にも分かりやすい楽しい音楽を演出。 そして時間がまだあるからと演奏されたチック・タック・ポルカ、最後は客席を向いてチクタクと歌ってサービス満点。 そしてアンコールではお馴染みのラデツキー行進曲、これを全員で手拍子をしてお開きとしました。

最後の最後まで安野さん、自分たちのオケが出演する以外の演奏会にも行って音楽に親しんで欲しい、と言われていました。 開演前のプレトーク、そしてお開きとなったあとはロビーでのアンケート回収と、今回も大忙しいの安野さんでした。 これはなかなか出来ることではありません。 そっと頭を下げて会場を後にしました。


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