山水電気が民事再生手続きに入ったのが昨年4月2日でした。
負債総額2億4,765万円、親会社が事実上の倒産状態になって資金繰りが悪化、
そして親会社の債権が取り立て不可能となって事実上の倒産でした。
再生手続きに入って、再生計画が裁判所で認められると生き延びるのですが、
実質何も作っていない状態が何年にも渡っていたので、このまま消滅か・・・
と思ってましたが、昨年末12月28日に再生計画が認可されました。
再生計画の詳細は知る由もありませんけれど
ドウシシャが、昨年11月末に SANSUI ブランドによる
「Bluetooth機能搭載スピーカーシステム」の新製品を発売し、
今月も「Bluetooth機能搭載モバイルスピーカー」の新製品を出しました。
ドウシシャが SANSUIブランドの日本国内ライセンスを取得したようですね。
単に SANSUIブランドが生き残った、ということだけなのかもしれません。
以前からの SANSUI ユーザが興味を示す製品とは違うコンセプトの製品で、
興味を持つ人がいるか分かりませんが、それでもここ数年出なかった新製品、
ちょっとはこの会社の復活に期待したいものです。
ところでサンスイのアンプ、根強い利用者・信奉者がいるようで、
オークションなどでも高値で取引されているようですね。
現在、使っているこの AU-D707F 、東京での単身赴任時代だった2009年1月
秋葉原ラジオ会館にある中古ショップの清進商会で 22,000円で捕獲しました。
購入後すぐスピーカAの片チャンネルの音が出なくなり、店に持って行き、
店主さんに話したらリレーの接点だろうと、洗浄をしてから快調です。
14kgもあるアンプ、山手線で田端−秋葉原の1.5往復は重たかったけれど。
AU-D707Fは30年以上前の製品なので、それなりの使用感もありますし、
phono では左チャンネルにわずかにハム音が鳴るようになりましたけど、
あまり気にならないので、そのまま使っています。
カートリッジやプレーヤの接続、アースなど真剣に見直すと改善できるかなぁ
なんて思いますけれど・・・
phono 以外はヴォリームを上げても無音、フォノイコライザー部の不具合、
一度見てもらったほうが良いのでしょうが、サンスイの正規サポートでは
基本料金 30,000円、リレー交換と半田補修および調整料も含め 33,630円。
これが昨年6月に修理した AU-D707X DECADE の費用でしたので、
今回もこれと同じくらいかかるとふんでいます。
AU-D707X DECADE は、phono がノイズでまったく音が出せない状態だったので
(多分、半田割れによる断線と思う)
正規サポートに出しましたけど、
AU-D707F は普段は全く気にならないハム音なんで、もし調整に出すとしても、
元山水電気の技術者の方がやっている
アクア・オーディオラボかな。
ここのホームページだと基本調整での料金は 18,000円程度のようですしね。
しかしなぁ 18,000円も出せば、中国製で音が良いと評判のデジタルアンプ、
2〜3台買えるかもしれませんね(レコードを聴くことは出来ないけれど)。
やはりアナログ・オーディオを一から始めようとするとハードル高いなぁ〜
なんて思ってしまいますね。 やっぱりニッチの世界でしかないと思います。
山水電気の復活、期待するもやはり前途多難ではないかと・・・
と、ここまで書いて思いつきました。
修理から戻ってきた AU-D707X DECADE は長男に占拠された部屋にあり
もっぱらCDを聴いているようなので AU-D707F と入れ替えてみましょうか。
AU-D707F は phono 以外は無音だし、AU-D707X DECADE の phono には
MCトランスが内蔵されていて、カートリッジ交換の楽しみも増しますしね。
問題は、AU-D707F の重量は 14kg で、AU-D707X DECADE の重量が 21.5kg
狭い家の中とはいえ1階2階を総重量 35.5kg を抱えて移動することかな。
配線も面倒やろし・・・と、考える毎に少々ひるんでくるのでした。
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(C)fronte360SANSUI AU-D707F (1980年発売)
型式:スーパー・フィードフォワード&DD/DCアンプ
実効出力:95W+95W(8Ω、10Hz〜20kHz、THD 0.005%)
95W+95W(8Ω、1kz、THD 0.003%)
全高調波歪率(10Hz〜20kHz、実効出力時):0.005%以下
混変調歪率(60Hz:7kHz=4:1、SMPTE):0.008%以下
出力帯域幅(IHF、両ch動作、THD 0.02%):5Hz〜80kHz
ダンピングファクター(新IHF、20Hz〜20kHz):100(8Ω)
周波数特性(1W):DC〜300kHz +0 -3dB
SN比(Aネットワーク):110dB以上
入力感度/入力インピーダンス(1kHz):
Phono1、2 MM:2.5mV/47kΩ
Phono1、2 MC(high/low):100μV、250μV/100Ω
Tuner、AUX、Tape Play1、2:250mV/27kΩ
Phono最大許容入力(1kHz、THD 0.01%):MM:200mV、MC:25mV
出力レベル/インピーダンス(1kHz):Tape Rec:250mV(47kΩ)/600Ω
全高調波歪率:Phono1、2 MM:0.005%以下(20Hz〜20kHz、5V)
RIAA偏差(MM):20Hz〜20kHz ±0.2dB
SN比(Aネットワーク):Phono1、2 MM:90dB以上、Phono1、2 MC:74dB以上
トーンコントロール:Bass:+6〜-8dB(50Hz)、Treble:±6dB(10kHz)
トーンセレクター:Bass:150Hz、300Hz、Treble:3kHz、6kHz
フィルター:Low:16Hz(-3dB、6dB/oct)、High:20kHz(-3dB、6dB/oct)
オーディオミューティング:-20dB
定格消費電力(電気用品取締法):250W
外形寸法:幅445×高さ163×奥行403mm
重量:14.0kg
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(C)fronte360そして肝心の音楽は・・・
ヴィヴァルディ/合奏協奏曲「四季」
ミシェル・シュヴァルベ(Vn)
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(1972年8月録音:スイス・サンモリッツ・フランス教会)
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(C)fronte360このレコードが録音された1972年、ようやくクラシック音楽を聴き始めた頃、
カラヤンは金儲けのためにバロック音楽まで演るのか・・・などと言っていた
アンチ・カラヤンでしたが、馬齢を重ねた現在は、素直にカラヤンは巧い、
そんな風に思えるようになりました。
ジャケットの写真によると、第1ヴァイオリン6名、第2ヴァイオリン5名、
ヴィオラ4名、チェロ3名、コントラバス2名。
小編成の持つ機敏さと、豊かな響きのアンサンブルが堪能できますし、
シュヴァルベさんのソロ、豊穣な響きながらケレン味のない演奏もいいですね。
ヴォリュームを上げて聴くと、奥行き感もきちんと出ていますし、
この演奏ではチェロも通奏低音を演っているので、それもくっきりと出ます。
中音域の押しだしの強さがいい感じに振れているように思います。