ステレオ・サブ・システム稼動記念、コンサートホール・ソサエティ盤大会。
コリント式でしょうか、装飾された柱をモチーフにしたと思われる木版デザイン。
ブラームス/交響曲第2番
ブラームス/大学祝典序曲
ヨーゼフ・クリップス指揮 チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
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秋が深まってくると何故かブラームスを聴きたくなってくるが、
重厚でかつ歌心にあふれるクリップスのブラームス、季節に良く合っています。
目立つホルンやヴァイオリンの陰で、フルートやヴィオラが裏で歌っていて、
じっくりと聴き込むほどに味わい深い演奏でもあります。
ロマンティックに歌い込む第1楽章、第2楽章はしみじみと聴かせる自然な展開、
一見淡々としながらも、充分に深い呼吸でゆったりと歌います。
第3楽章、冒頭のオーボエを長いフレーズで丁寧に歌わせたあと、リズミック、
速いテンポへの切り替えも自然で無理のない巧さはクリップスらしさでしょう。
終楽章は一気呵成にアッチェランドをかけて進行、ここも細部をよく歌わせ、
表情豊かな自然な高揚感。 多少の音の悪さや、演奏の乱れなどもありますが、
そんなことを忘れて突き進む終結部に感動。
機能的でスタイリッシュに流れる現代のオーケストラとは一味も二味も違う、
名演と言ってよいと思います。
大学祝典序曲も、良い演奏です。 色々なメロディをよく歌い込んでいます。
いつも退屈に思えて敬遠していたこの曲ですけれども、面白く興味深く聴けて、
ちっとも退屈などしません。 これは拾いものでした。
CD化もされていて、1960年5-6月ステレオの記載もありましたけれど、
手元のレコードはモノラル録音。 音の拡がりに欠け、やや平板な録音で、
これは時代なので仕方ないですけれども、細部をよく捕らえています。