日時:2012年9月9日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール
曲目:ヴェルディ/歌劇「ナブッコ」序曲
リスト/交響詩第3番「レ・プレリュード」
ブルックナー/交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)
指揮:松岡 究
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長大なブルックナーの交響曲第7番、終始弦楽器と管楽器が呼応しあう見事な演奏でした。 金管楽器のパワフルな音に耳を奪われがちですけれども、弦楽器のアンサンブル、なかでもチェロ、ヴィオラといった中音弦の粘り強い響きと、透明感のある高音弦の絡みなど、実演でのみ感じることができる醍醐味を存分に楽しませてもらいました。 そしてコントラバスは9本、終楽章での深いピチカートの響きなども印象に残りました。
指揮者の松岡究さん、このブルックナーの交響曲第7番が指揮者になったきっかけの曲とのこと。 思い入れもあったとは思いますが、終始淡々とリードを重ねておられたようです。 押し出しの強い響きとすることはあっても、煽るような場面はなく、しっかりとした音楽造り。 オケもそれに見事に応え、ソリッドな響きの管打楽器、粘り強い弦楽器によるこれがアマかとも思える立派な演奏となっていました。
ここまで立派な演奏になると、あとは好き嫌いの領域かもしれませんね。 当方は良いブルックナーの聴き手ではないこともまた再認識したようにも思えた次第。 巧い、良い演奏とは思っていて、前かがみになって聴く場面も多くありましたけれども、後で思ってみると、イマイチ乗り切れていなかったと感じたのも正直なところです。 何なのでしょうね。
冒頭に演奏されたナブッコ序曲、重層的なアンサンブルにタイトな音楽。 巧いなぁ、とは思ったものの、ちょっと息が詰まるようにも感じました。 続くレ・プレリュードもパワフルな音楽としていましたが、しかしこちらには荘重さ、落ち着きもあって、うごめくように音量を上げてゆく場面などなかなかのものでした。 でもね、やはりイマイチ乗り切れなかったように感じたのは、曲の好き嫌いもあったからかな、と思っていましたけれでも、つまるところ曖昧さが無かったからかもしれません。
ブルックナーでも、それぞれの場面でオケの面々は必死になって、思いを込めて演奏されているのは、BB席という良い席で、上から見ていたこともあってよく分かりました。 なんとなく鳴っている場面など皆無。 曖昧さの感じられない演奏であったように感じました。 長大な曲なので、そうやって終始的確にリードするのが指揮者の仕事といえば、重要な仕事なのですけれども、それに留まらない何か、そんなものがあるのでしょうね、それを掴めなかったもどかしさを感じていたのかもしれません。
ブルックナーって難しいですね。 しかし、繰り返しになりますが、本当にオケの皆さんは素晴らしい演奏をされていました。 演奏終了後に垣間見えた笑顔も素適なものでした。 ありがとうございました、そして皆さんお疲れさまでした。 当方のキャパがなくて上手く書けなくてごめんなさい。
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