2012年09月03日

紫苑交響楽団 第20回記念定期演奏会

日時:2012年9月2日(日) 15:00開演(14:00開場)
場所:ザ・シンフォニーホール

曲目:(オープニング)モーツァルト/行進曲 ニ長調 K.215 -*
   モーツァルト/交響曲ニ長調〜セレナーデ第5番 K.204(213a)
   マーラー/交響曲第7番「夜の歌」

指揮:森口真司 (-* 指揮者なし)

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マーラーの交響曲第7番、好きな曲ながら滅多に演奏されることのない曲なので、CDなどで耳にしている音楽が目の前で実演されるだけで、ただただ感激しがちではありますが、そのようなバイアスを除いたとしても、明晰でパワフルかつしなやかな素晴らしい演奏に大きな拍手を贈りました。

第1楽章冒頭、弦楽器による序奏ははっきりした音形、これが地響きにも感じながらテナーチューバへ。 この響きもハッキリとしたもので、不安定で不気味な葬送のリズムと当方の勝手なイメージとは少々違って驚きましたが、明晰でパワフルな第1主題、ぐいぐいとオケが筋肉質の音楽を進めてゆきました。 指揮者の森口さんも徒手体操よろしく、素早くキレのよい動きで若いメンバーの多いこのオケをリード。 第2主題のたっぷりとした歌わせて、オケも一丸となった見事な演奏でした。 捕らえどころのないこの曲を、分かり易く聴かせてもらった感じ。 濃密な時間となりました。

今回、珍しくK列という前の方から聴かせてもらって感じたのですが、このオケの素晴らしい所は、全員がよく聴いている、そんな風に思えました。 弦楽器のメンバーであっても自分の出番ではないとき、他のたとえば木管楽器の旋律を聴いてらっしゃる(数を数えていることもあるでしょうが)。 そして自分の出番で音楽性を途切らせることなく送り出している。 またパートリーダは当たり前ながら指揮者をよく見ているし、メンバーはリーダをよく見ている。 基本的なことかもしれませんが、これらがきちんと積み重なっているからこそ、このような濃密な時間になったと感じた次第。 素晴らしいですね。

ロンドン・オリンピックでの女性選手の活躍よろしく、このオケでも先のテナーチューバ、第1・3番ホルン、クラリネット、バス・クラリネット、フルートなど女性奏者の活躍も光っているように思えました(もちろん男性奏者も見事でしたが)。 とにかく全員一丸となった演奏は、ホルンや木管のベルアップも見事に揃っていることからも見て取れて、視覚効果も抜群。 素晴らしい演奏でした。

なおこれに先立って演奏された、モーツァルトの交響曲ニ長調。 こちらも森口さんの徒手体操のような指揮に見事に付いていった演奏でしたが、マーラーでは交通整理が必要でしょうが、モーツァルトはもうちょっと自主性が出ないと、などと生意気にも思った次第。 というのも、オープニングとして指揮者無しで演奏されたモールァルトの行進曲ニ長調がまた素晴らしい演奏でしたので。 交響曲では同じフレーズが同じように繰り返されるので、少々飽きてしまったようです。

それにしてもいきなり始まったモーツァルトの行進曲、何の曲か分かりませんでしたが、モーツァルトやなとは思いました。 ふくよかでかつ端正、チャーミングさもよく出ていました。 弦楽器と管楽器が一つになって、金管がきちんと抑制かかっていたのも見事でしたね。 いきなり良いもの聴かせてもらった、そんな感じでした。

とにかく第20回記念演奏会に参加された皆さん、素晴らしい演奏を有難うございました。

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珍しくK列という前の席で大きな拍手を贈っていましたが、客席の上から拍手の響きが降り注いでくるのですね。 驚きました。

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プログラムを見ていて思い出しましたが、第10回記念演奏会は長岡京でのブルックナーの交響曲第6番。 2007年9月9日。 ゆらむぼさんと最後にお会いできたのがこのときでした。 演奏会終了後、駅前のドトールでお話させてもらい、家業はシンドイので勘弁してほしい、などと語っておられましたこと、つい先日のことのようです。

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過去のこのオケの演奏会記録を眺めて、第9回定期演奏会プログラムに拙文(第8回定期演奏会の感想)を出して頂いたことも思い出されます。 当時、団員の減少に悩まれていて、ヴァイオリンのメンバーも1名となるほどの解団寸前状態。 ホームを豊中から高槻に移されたことが(アマオケの空白地帯だったようです)転機だったようですね。 演奏会終了後、当時団長の田村さんがお客さまに熱弁をふるっておられたことも思い出しました。 しかし、よくぞここまで、との感慨は(団関係者でありませんが)ひとしおであります。

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posted by fronte360 at 06:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 05〜12-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする