またもやの感のあるシューマンの交響曲全集ですが、これは面白かったなぁ。
土曜日に本駒込図書館で借りたものですが、お恥ずかしながら、
ショルティにシューマンの交響曲の録音があったなんて気付きませんでした。
いろいろな録音を聴いているのですが、
ショルティらしいストレートな強引さと、
造形的なシューマンの音楽が噛み合っていて、
しかもウィーンフィルが美しくもパワフルで、
弦の美しさも特筆すべきでしょうが、
金管の咆哮がまた耳を惹きます。
1967,1969年録音だから
1912年生まれのショルティの壮年期であって
1969年、シカゴ響の音楽監督に就任した年でもあり
まさに絶頂期を迎える直前でしょうか。
自信に漲り、ウィーンフィルをドライブしている、
そんな感じがします。
そして、一つの音符もおろそかにしない、そんな姿勢も感じられます。
聴きなれたラインの第1楽章でも、裏でこんな管楽器が鳴っていたのか、
とか、弦のフレーズにこんなのがあったのかなどと、新たな発見もあって、
4曲それぞれに楽しめました。
シューマンの音楽がこれほどまでに造形感をもって美しく、しかも力強い。
ショルティらしいパワフルな音楽とウィーンフィルの弾力ある響き、
これががっぷりと四つを組んだマッシブなシューマンの交響曲。
好みが分かれるところかもしれませんが、これは好きですね。
いいもの(録音)を発見した、そんな気持ちです。
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