そのマーラーの交響曲の録音は、いずれも素晴らしいものだと思います。
かつてマーラーの音楽を知った頃、ノイマンはチェコ・フィルを指揮していて
古い録音のレコード・・・ そんなイメージしかありませんでした。 でも・・
CD化されたその録音を耳にするようになり、ウロコが落ちるようでした。
今でもそんな頃を思い出しながら、ワクワクしながら聴いています。

つかみ所のない曲という感じもありますが、
この演奏には何より覇気があり、
ぐぃぐぃって進んでゆきますね。
まどろっこしい、そんな思いはさせません。
この曲のファンの方には、明快すぎる・・・ そう思われるかもしれませんが、
決してノー天気な陽気さではなく、正攻法で、グイグイと攻めている感じです。
プラハの春、ソ連の介入に東ドイツが同調、軍を参加させたことに抗議して、
ライプツィヒのこのポストを辞任した、ヴァーツラフ・ノイマン。
ライプティヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団との一連の録音では
チェコ・フィルに移ってからのちょっと神経質っぽい整った演奏とは違い、
辞任した気概をも感じさせるのは、皮肉かもしれませんね。
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