早川正昭作曲による「
バロック風日本の四季」、ついに「
冬」で全曲を聴けて幸せでした。 いつもながらの暖かなアンサンブル、第2楽章のチェロのソロ、
ペチカの泣かせる旋律に母の暖かさを感じました。 昨春からの単身赴任に加え、今年2月半ばからの過酷な業務により、今年は聴けないのではないか、そんな懸念もありましたけれども、色々なことを忘れ一心に音楽を楽しませていただきました。

休憩を挟んで
ベートーヴェンの
ピアノ協奏曲第2番、しっとりとして太い筆で描くようなアンサンブルと、
活田真理さんの柔らかなタッチと深い響き、ちゃんと芯もあって、このオケの響きとよくマッチしていましたね。 オケとの呼吸も良くて、これは
木村さんの指揮によるところでしょう。 良い部分を見事に引き出しています。
続く
モーツァルトの
交響曲第25番も、やや生真面目に鳴るこのオケにぴったりの選曲だったのではないでしょうか。 高音弦・中音弦・低音源がしっかりと鳴っていました。 真摯に響く弦の響きに、管楽器も凜と絡まっていて、フィナーレには熱気も感じられる演奏に満足しました。
ところで、冒頭の
ドヴォルザークの
弦楽セレナーデ、慎重に進めているものの、なかなか音程が揃わずに苦戦していたようですが、指揮者の木村さん、つねに笑顔で大きく振ってのリード。 皆さん、一所懸命に演奏されています。 人生の諸先輩方のひたむきな演奏する姿を見、聞き進んでゆくうち、音楽を演奏することは音楽を再生することではなく、音楽の演奏を通じ、その音楽の向こう側を感じさせることではないかと、今更ながら気付いたしだいです。
今年も得るものが多くあった演奏会でした。
posted by fronte360 at 23:59|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
05〜12-演奏会にて
|

|