
常任指揮者で芸術監督の米山さん、難解なシベリウスの交響曲第7番を明快に振り、躍動感を持って明快に分かりやすく伝えてくれました。 米山さんの振りはいつもの省エネ指揮で縦振りが基本。 聞き手の自分もその縦振りに知らずに合わせ、首でリズムを取りながら聴き進めていました。 次第に熱気も増して中盤以降は弦と管の呼応したクラシマックスなど熱さも十二分に出て痺れました。
これに先立って演奏されたメンデルスゾーンの序曲「美しいメルジーネの物語」、こちらも米山さんの指揮。 耳馴染みのない曲ですが、古典派とロマン派の中間、橋渡しのような印象を持ちました。 淡々としていながらも美しい旋律が出て、クライマックスでも落ち着きがあります。 トランペットの抑制されつつも主張した響きが印象的でした。
アンコールのプロコフィエフの「3つのオレンジへの恋」から行進曲、新谷さんによる豪快な演奏で締めくくり、充実してお腹いっぱいになりました。
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吹田市交響楽団 第65回定期演奏会
2008年5月6日(祝・火) 14:00 吹田市文化会館メイシアター・大ホール
メンデルスゾーン: 序曲「美しいメルジーネの物語」 (*)
シベリウス: 交響曲第7番ハ長調 op.105 (*)
プロコフィエフ: 交響曲第5番変ロ長調 op.100
(アンコール)プロコフィエフ: 歌劇「3つのオレンジへの恋」より「行進曲」
指揮: 米山 信(*)、新谷 武