2007年11月24日

かぶとやま交響楽団 第36回定期演奏会にて

kabutoyama_36th.jpgいたみホールのグリーン交響楽団の演奏会が終わってから、同じ道路沿いにあるアイフィニックホールに移動。 本日2回目の演奏会で、いわゆるダブルヘッダーの2試合目となりますが、かぶとやま交響楽団らしい気鋭の演奏の数々に疲れを忘れて聴き入りました。

まずはロッシーニの歌劇「シンデレラ」序曲、落ち着いた響きと軽快な響き、ともに引き締まった響きで覇気があります。 中でもぐるぐると腕を回したロッシーニ・クレッシェンドの推進力が素晴らしい。 思わず前に乗り出すようになって聞いていました。 そしてこれまで意識したことはありませんでしたが、洒脱な旋律が見え隠れし、モーツァルトを思い起こさせたりもして、面白く聴けました。

ストラヴィンスキーの交響曲ハ調、普段使わない脳ミソを刺激してくれるような音楽、無理に音楽を分かろうなんてせず、ただリズムに乗って楽しめればそれで良いのでは、そんな風に思い、中村さんの指揮を見、オーケストラの奏者の方の動きを眺めながら楽しみました。 CDかレコードでこの曲を持っているはずですが、今回の実演ほどに楽しめた経験はありません。 小編成のオケなので雑音が聞こえたりもしますが、でもはやり実演は素晴らしい。 躍動感のある演奏を存分に楽しみました。 これもまた面白かった。

そして休憩のあとのチャイコフスキーの交響曲第5番、学生オケの定番ナンバーで、全力投球で盛り上がる曲ですが、パンフレットには小編成オケによる少し「大人」の演奏とのこと。 でもやっぱり全力投球の演奏だったと思います。 しかも中村さんのダイナミックな動作による熱く突き刺さるような演奏にノックアウトされました。 キレが良く熱い演奏に火傷しそうな感じがしたほど。 確かに小編成のオケ独特の洗練された響き、見通しの良さ、特に弦楽器の分奏の素晴らしさを感じましたし、随所に聴かれる管楽器の響きもまた新鮮でした。 でも繰り返しになりますが、それよりも熱い演奏でありました。

とにかく皆さんお疲れさまでした。
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グリーン交響楽団 第19回定期演奏会にて

green-sym_19th.jpg超満員で熱気ある客席、演奏もまたそんな熱気を受けて熱く渦巻くような演奏が展開。 中でも覇気ある響きによるベートーヴェンの交響曲第7番、決して勢い込まず、しっかりとした響きできちんと最後まで纏めた今西さん、そしてオーケストラに熱い拍手を贈りました。

とにかく超満員、補助席を出しても足りず、2階席の通路に座る人もいました。

1曲目の伊福部昭の交響譚詩、詰め掛けるお客さんのためか2階席後方のドアが開いたままで演奏を開始(そのまま最後までドアは開いたまま)。 そのためか、パワフルで機動力のあるオケの響きがストレートで、ぐいぐいと押し寄せてきた感じです(直接音が多くて少々疲れやすい響きでした)。 個人的にはもっと土俗的な響きで演って欲しかったのですけれど、でもこの演奏ではゴージャスな響きもして、ドラマティックに進む演奏を面白く楽しみました。

ドヴォルザークの交響詩「水の精」、活づいた演奏、艶やかに響く弦楽器による磨き抜かれたドヴォルザークといった感じ。 インターナショナルなドヴォルザーク、しみじみとさせてる部分でもなんとなく熱気を孕んでいました。 そしてパワフルで機動力ある響きはここでも健在。 馴染みやすい旋律をくり返しつつ、緻密に響かせては堂々と盛り上げる。 そんな繰り返しがちょっとワンパターンにも思えもしましたけれど、最後まで切れることのない高い集中力を持った演奏でもありました。

休憩を挟んでメインのベートーヴェンの交響曲第7番、しっかりとした構成感のある堂々とした演奏でした。 ともすると機動力で引っ張る感じをさせた前2曲と違い、のだめブームですが、それとは全く無縁の堂々として落ち着いてハリのある響きに満ちていました。 終楽章でも勢い込むことなく丁寧な響きを配置し、常にインテンポで進めていた今西さん。 それを受けたオケが、熱気も十二分に醸し出した素晴らしい演奏でした。

演奏終了後、オケ、とくに木管楽器奏者の方々のこぼれるような笑顔、よく演ったなぁ〜といったような満足感のある表情が印象的でもありました。 お疲れさまでした。

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