指揮者の小西収さんのもと、躍動感のある音楽を楽しみました。 これまでの橿響には無かった響きも感じたように思いました。
ドビュッシーの小組曲、1曲目の「小舟にて」の美しく響くアンサンブルにハッとしました。 失礼ですが、橿響からこのような響きが醸し出されてくるとは、ちょっと吃驚。 小西さんの独特の動き、テンポに導かれ、苦手なフランス音楽ですが、上品な昔のディズニー映画を観ているよう。 健康的な響きで流れるアンサンブルがとても素敵で、どの曲もとてもよく纏まっていました。 たっぷりと楽ませてもらいました。 小西さんと橿響、いい組み合わせじゃないでしょうか。
そしてメインのシューベルトのグレート交響曲。 冒頭こそアンサンブルに隙間を感じましたけれど、尻上がりに調子に乗せてゆき、最後は躍動感のあるダイナミズムの大きな音楽になりました。 小西さん、独特の動きが更に拍車がかかって、フレーズの最後をちょっと伸ばしたり、テンポを揺らしたり、緩急つけたりと、9月に聴いたアンサンブル・フロイントとのグレートも彷彿とさせました。 フロイントでは先鋭的でしたけど、橿響は時に底力のある響きで応えて健闘。 堂々とした演奏は立派でした。 大きな拍手を贈りました。
そしてアンコールのロザムンデから舞踏音楽第2番。 この曲ではオーケストラの方々も緊張が取れたのでしょうか、もっと伸びやかになっていて、小西さんとともに演奏を楽しんでいらしたのではないでしょうか。 舞踏音楽らしく一緒に踊りたくなるような感じも受けました。 明るい響きを基調にして弾む音楽。 存分に楽しみ、明るい気分のまま会場を後にしました。 いい演奏会でした。