2007年11月10日

セント・マーティンオーケストラ 第4回定期演奏会にて

ベートーヴェンの交響曲第1番、ワクワクするような演奏を楽しみました。

StMartin_4th.jpgプログラムに「この曲を聴くと思うと期待で胸がワクワクするようなお客様は少ないのではないでしょうか・・・(中略)・・・「1番シンフォニーっておもしろいね」と感じていただけたら・・・」とコンマスの方が書かれていましたけれど、それは十分に達っせられたのではないでしょうか。

実はこの数少ない1番シンフォニーがお目当。 ブロムシュテットのCDでこの曲の魅力に開眼したのはいつだったかしら・・・ それはともかく、ハイドンやモーツァルトの延長線上にベートーヴェンが存在する(当たり前の)ことに気づいて以来の好きなシンフォニーでもありました。 そして今回のセント・マーティンの演奏もまたそのことを強く感じさせてくれました。 特に第2楽章、ハイドンのような愉悦の響き、楽しい音楽を堪能しました。

音楽監督でもある指揮者の河崎さん、他の曲のでもそうだったのですが、細かな指示を繰り出すのではなく、常に笑顔を絶やさず、身体をゆすって楽しそうに振り、時にオケに信頼を寄せるように微笑みかけて進めてゆく。 オケもまたきちんと応えた演奏で見事でした。

これに先立って演奏された西玉美絵さんの独奏によるモーツァルトのピアノ協奏曲第20番。 西玉さんの演奏は淡々としていながらも底光りのする響きが素晴らしく、真摯で熱い演奏がこの曲のイメージにもよく合って魅力的でした。 ただ、オケの演奏がキレよく畳み掛けるようでもあって、ちょっと音量が大きかったかな。 しっとりと浸るのではなくキリっと引き締まった響きを楽しみました。

レオノーレ序曲第1番もまたタイトでストレートな演奏。 冒頭こそ少々落ち着きを得ませんでしたが(ノン・ヴィブラート奏法だったかもしれませんが)、盛り上がるとキレよく畳み掛けるように進めて力強く、引き締まった演奏でした。

でも1番シンフォニーの演奏は弦楽アンサンブルのふくよかさなど、一味違っていました。 ソリッドに響く金管も余裕を感じましたし、木管の柔らかな響きにも魅了されましたしね。 楽しい演奏に満足しました。
ありがとうございました。 
posted by fronte360 at 19:25| Comment(0) | TrackBack(1) | 05〜12-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする