すべての楽器の響きが同じ色に纏まって熱くラフマニノフの交響曲第2番、波打つような素晴らしい演奏に酔いしれました。
奥さんと京都コンサートホールは初めて、先日の演奏会で聴いたラフマニノフのピアノ協奏曲第2番がきっかけで、ラフマニノフの交響曲第2番も聴いてみたいと、出先の大阪より奈良の最寄り駅で落ち合って、京都へと向かいました。
そのラフマニノフの交響曲第2番、期待どおり、いや期待以上。 井村さんらしいドラマティックで熱い指揮にオーケストラが応えて見事でした。 なかでも1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンが織り成す響きの綾、前から後ろのプルトまでそれぞで綺麗に揃って波打っていて、ことに2ndヴァイオリンの奮闘ぶりが目に焼きつきました。 もちろんヴィオラもチェロもコントラバスも皆一体となっていて、管打楽器もまたそれぞれに響きを合わせて、まさに全員一丸の演奏に痺れました。
特に奇数楽章では連綿と繰り返される甘く美しい旋律にただただ身を任せ、偶数楽章ではキレの良い響きに爽やかな色香を感じました。 ソロを担った皆さんの響きがまた柔らかで素晴らしく、コンミスのソロは美しく可憐。 しかもすべての響きがオケ全体の響きに綺麗に合わさっていて突出することなど皆無。 長い長い交響曲だけれども、一瞬たりとも耳を離させない心を合わせた素晴らしい演奏に熱く大きな拍手を贈りました。
なおこれに先立って演奏された「プロメテウスの創造物」序曲、柔らかくまろやか、スッキリとした演奏。 序曲「アルフォンソとエストレッラ」もまたスッキリとしてキレの良い響きを快活に纏めていました。 いずれもオケの纏まり感が良かったのが印象的でした。
あとアンコールはお馴染みヴォカリーズ、たぶんアンコールするならこの曲、と思っていたとおりでしたね。
とにかくこの日はラフマニノフの交響曲第2番、これに酔ったままホールを後にしました。