重厚ながら活気ある演奏の数々、高谷さんの指揮のもと、引き締まった演奏会を楽しみました。
1階席は隅の方を除いてほぼ満員状態。 2階席も3割以上入っていたように思います。 よく入っていましたねぇ。 アマオケ・フェスの影響でしょうか。 行けなかったけれど、先日の橿原交響楽団の演奏会も満員御礼だったと聞きました。 行きつけの演奏会が活性化するのは、単なるリスナーではありますが、嬉しい限りです。
そして今回の演奏会、アマオケフェスでも指揮された高谷光信さんの指揮のもと、シューベルトのグレート交響曲という大曲に挑戦。 これは聴き逃せないとホールに向いました。
話はまた脱線しますが、橿原交響楽団も次回演奏会で同じくグレート交響曲。 こちらも楽しみです。
そして今回の奈良響のグレート交響曲は、きりりっと引き締まった演奏が特徴的でした。
常に低弦の響きがある安定した演奏で、基本はインテンポで端正に進めていましたけれど、要所をバシっと決める高谷さん。 これに見事に反応するオケが、きりりっと引き締まった響きで畳み掛けるのが見事でした。 聴き応えのある演奏を展開、しかもこの曲は長丁場ですが、各パートがしっかりと持ち場を守り、響かせあって演奏しきったフィナーレまでこれは崩れません。
終演後、指揮者の高谷さん、そしてオケの皆さんも笑みがこぼれていたのが爽やかでした。 熱い拍手を贈りました。
またこれに先だって演奏された、メンデルスゾーンの序曲「ルイ・ブラス」もまた荘厳な響きを垣間見せながら、こちらも活気ある演奏でした。
ここでもまた低弦の響きがよくブレンドされていて、勇壮な響きも導き出し、しかもすべてに渡ってきちんと整理された演奏としていたのは古典派の流れをしっかりと汲んでいるからでしょうね。 聴き応えありました。
そして名曲カルメン組曲、この演奏もまた落着いた曲の運び、かえってもう少し遊びがあってもいいかなぁ、などと思えるほどのしっかりとした構成感を感じさせる演奏にしていました。
ここでも高谷さん、要所をバシっと良く決めて迫力あるいつものカッコ良い指揮姿。 聴いて、見て、お客さんは大満足でしたよね。
このところ仕事も急速に立ちあがっていて、自分自身の気力の漲り方がちょっとよくなかったので、どうかな〜(演奏会行けるかな〜)な〜んて、じつは自信なく思っていて、ホールに伺ったのですけれど、大勢のお客さんとともに演奏を聴いたことで、かえって元気を頂いたような気がしました。
数度のカーテンコールのあと、これが最後だとコンサート・ミストレスの方がが客席に向って一礼すると、会場からもまた一段と大きな拍手が沸き起こっていました。 この拍手こそ掛け値なし、ホールにいた皆の意思でしょう。 お疲れさまでした。
次回演奏会がまた楽しみになってきました。