2007年06月03日
吹田市交響楽団 第63回定期演奏会にて
パワフルでかつリッチ・サウンドの演奏会でした。
冒頭の「イタリア奇想曲」より、雄大でかつ畳み掛ける迫力満点の演奏に圧倒されました。 新谷さん、いつものながらの精力的な指揮なのですが、オケより落着いてたっぷりとした響きを導き出した素晴らしい演奏。 この曲、派手に吹いてチャラチャラとした演奏になりがちなのですけれど、テンポをちょっと遅めにとっていたでしょうか、悠然とした響きに目(耳)を見張りました。
そして同じく新谷さんの指揮によるプーランクのバレエ曲「牝鹿」、 バレエ組曲版ですが、機動力あるこのオーケストラによる演奏でバレエを踊るのはちょっと難しいかな、そんなリッチなサウンドでした。 ゴージャスと言っても良いかもしれません。 とにかく精力的な指揮より、楽しく豊かな響きが満載されていました。 楽しみました。
メイン・プロは、ゲスト・コンサートミストレスの納庄麻里子さんを迎えての「シェエラザード」、要所の機動力はそのままですが、楷書で描いたような清潔感の高い演奏でした。 米山さん、いつもの端正なリードでオケを進め、納庄さんの独奏もまた繊細で透明感の高さが特徴的。 淡々と進んでゆくような感じもしましたけれど、迫力は満点で、聴き応えありました。
個人的には、米山さんが「牝鹿」で、新谷さんで「シェエラザード」だとどうだったかなぁ〜なんて思いながら聴いていました。
存分にオーケストラサウンドを楽しんだ演奏会でした。