
ソリストに池川章子さんを迎えたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番、プログラムに書かれたとおりの「共奏曲」。 池川さん、先日の枚方フィルではベートーヴェンだったこともあり少々気負いのようなものを感じたのですが、ここでのモーツァルトは暖かみのある美しい響きでよく歌っていました。 そしてオケも指揮者の木村さんのもと雄弁に奏でて競奏して協奏。 興に乗るのではなく理知的な感じもさせるモーツァルトをたっぷりと味わいました。
そしてメインのシューベルトの交響曲第5番。 若い管楽器奏者の方に刺激されたこともあるのでしょうか、覇気を感じさせる演奏が素敵でしたね。 活きのいい第1楽章、落ちついた色合いの第2楽章、誠実に進めた第3楽章、そして終楽章の力のこもったフィナーレへと結びつけて幕。 常に低弦がしっかりと鳴った上に各パートが乗って響きを合わせた見事な演奏。 これは指揮者の木村さんの手腕によるところ大なのでしょうが、響き合わせて演奏しきったオケの皆さん、終演後の笑顔がとても爽快でした。
冒頭の「ホルベアの時代から」は少々手探りな部分も感じましたけれど、誠実なアンサンブルが味わい深くて、とくにアリア。 人生の晩秋も感じさせる静けさに心が沁みました。
昨年「理詰めで音楽を聴いたり演奏するのとは違う音楽の楽しみを感じた」と書きましたけれど、今年もまったく同じですね。 うまく年輪を重ねた方々の素適なアンサンブルを楽しみました。 ほんと、いくつになっても楽器を演奏して音楽を楽しめる、素晴らしいことですね。 元気も頂きました。
有り難うございました。