2007年05月27日
枚方フィルハーモニー管弦楽団 第65回定期演奏会にて
枚方フィルらしい、まろやかな自然体の演奏が満載、ゆったりした気持ちで演奏を楽しませていただきました。
冒頭のシベリウスの「フィンランディア」より自然な流れがとても魅力的でした。 変な力みや、見得を張って・・などとは一切無縁。 長身の生島さんの指揮は、いつもながらちょっと腰高かな、と思えるのですけれど、膝を折って表現する強弱アクセントをきちんと決めつつ進めると、オケも落着いて、堂々とした演奏で応えています。 自然とオケのメンバーと同じ波長で、恰幅の良い演奏を楽しみました。
中プロは、池川章子さんを迎えてのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。 尻上がりに調子に乗せた演奏でしたね。 個人的には第2楽章の軟らかさを特筆しておきたいところですけれど、終楽章でのオケが常にぴったりと寄り添った快活な演奏もとても素適でした。 第2楽章では静かな時間がホールに流れていましたし、終楽章では清々しさがありました。
メインプロは、シベリウスの交響曲第2番。 寺坂さんの折り目正しい指揮に、各パート、そして全オーケストラが有機的に絡んだ見事な演奏でした。 テンポはちょっと遅めだったでしょうか。 端正ながらも、各パートの想いがこもっている演奏が、きちんきちんと出てきて、それが絡み合ってゆくような演奏でした。 この曲、拍の取り方など難しいのだと聞いたことがあるのですが、雰囲気でなんとなく合わせて流してゆくような感じでは全くないですね。 全員が同じ方向をきちんと向いた演奏に大きな拍手を贈りました。
このところ、団内指揮者によるアマケオ演奏に注目しているのですけれど、この枚方フィルこそ、この素晴らしさに気づかせてくれたオケ。
そして今回もまた、自分達の音楽、これをたっぷりと楽しませていただきました。
今回も終演後、さっきまで指揮されていた寺坂さん、そして前2曲を指揮しアンコール(ラフマニフのヴォカリーズ)ではファゴットのトップを吹いておられた生島さん、ともにロビーのアンケート箱前に立ってお客さまをお見送り「ありがとうございました」と・・ こちらこそ頭が下がります。
心温まるアットホームで素適な演奏会でした。