緩急をつけたマーラーの巨人、オーケストラの力を存分に引き出して熱い演奏でした。

終楽章では、ステージ左に配したホルン軍団と、右に配したトランペット・トロンボーン・チューバ軍団の応酬に、中央のティムパニほかパーカッション軍団も加わって素晴らしい盛り上がり。 ホルンの起立に対抗して、トランペット・トロンボーン・チューバ軍団も起立して驚きました。
しかし派手さだけではなく、しっかりとしたインパクトを与えてくれるティムパニを始めとするパーカッション軍団、きりっと引き締まった表情で演奏の要となっていたのが好ましかったですね。
切れ味の良いティムパニ、輝かしいシンバル、力強い銅鑼、リズミカルな大太鼓にシンバルの打音などなど、いずれもスパっと切れ込んでくるのですけれどね、抑制もうまく効かせて突出しません。 良かったですね。
これに先立って演奏された、学生指揮者松寺悠さんによるスメタナの「高い城」、エネルギッシュながらもうまく抑揚つけた演奏でした。
冒頭こそ慎重すぎたかもしれませんが、よく統率のとれた音楽。 時にはちょっとオーバーアクションかな、なんて思ったりもする盛り上げ方ですが、タメをしっかりととって節度をもった音楽として見事でした。
演奏終了後、涙ぐむ演奏者も多くいて、思いっきり頑張った演奏は一生の記念になると思います。 熱い演奏会でした。