2006年12月23日
第13回 天理の第九演奏会にて
気持の乗った素晴らしい合唱、タイトでよく締まった声。 壁のようにそびえ立った合唱団の席からビンビン響き渡ってきて、一昨年と同様の感動がまた甦ってきました。 熱い感動を覚えました。
曖昧さの全くない合唱ですね。 各声部がきちんと聴こえ響きあっていましたし、津田雄二郎さんの指揮にも巧く応えていました。 一昨年、第九は「合唱付き」と呼ばれるけれどこの演奏は「合唱」そのもの、と書いた記憶がありますが、今年もまた同じ感想を持ちました。
演奏としては、前3楽章まではどことなく即物的で淡々と進めているような感じだったと思います。 個人的には、もうちょっと歌わせて欲しいような気もしていたのですが、第4楽章でそんなことはどうでも良くなったような感じでした。 しっかりとした中低弦の響きを芯に男性合唱が乗り、しゃきっとした女声合唱もまたアルトとソプラノがしっかり分離したステレオ効果。 金管も上質な響きで華やぎを加えたクラマックス、コントラバスの弓使いも物凄い速度でした。 熱い音楽に心が満たされました。
なお今年は中学1年の長男も同行しての鑑賞。 その長男もまた、凄かった、と漏らしていましたので、勘違いではないと思います。
またこれに先立って演奏された安野英之さんの指揮によるモーツァルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲とヨハン・シュトラウス2世による喜歌劇「こうもり」序曲。 どちらも落着いてよく纏まった演奏でした。 弾力に富んだドン・ジョバンニ、しなやかなに歌ったこうもり、いずれも上品に纏まっていました。 ここでも響きの柔らかなコントラバスが印象に残りました。
今年もあと少し。 1年を締めくくるのに相応しい演奏会で、長男と二人で温かな気持ちを持って帰路につけました。 皆さん、おつかれさまでした。