2006年11月23日
「THE 20th ANNIVERSARY」 (秋本奈緒美) 1983年
秋本奈緒美さん20歳記念サードアルバム。
さすが3作目になって歌唱力が大幅にアップ、いいアルバムに仕上がっています。
「ポップスパイスのきいたエキゾチック・ジャズ・センセーション」のサブタイトルが付いてますけど、個人的にはジャズフレーバーを効かせたポップアルバムといった感じかな。
いいアルバムだと思います。
オリジナル全10曲、作曲家の名前には外国人名が多くありますけど(すみません)よく知りません。歌詞はこれまでどおり全て亜蘭知子。
プロデュース&アレンジは入江純に交代して、フュージョン色が強まっていてカッコ良さが全面に。
またバック演奏もいい味だして、それにのかって伸び伸びと歌う秋本さんがいい感じです。 なおA-2,5曲目には布袋寅泰も参加しているのを発見しました。
A面、ビックバンド風の出だしから重厚なロック調の唸りを入れたあとジャズ調に戻って「ENJOY YOURSELF」は明るいジャズボーカルで軽やか幕を開けるって感じ。
「SILENT COMMUNICATION」はグリコのCMにも使われた曲だそうです(覚えてませんけど)。 爽やかな色香を感じさせるジャズ(風)バラード。
「BEWITCHED (ARE YOU LEAVING SOON)」シンセを効かせたフュージョン調アレンジに女性コーラス(EVE)を従えて抜いた声で歌って素敵です。
「SWEET SURRENDER」も抜いた声で歌うバラードにフュージョン調アレンジがいい感じ。
「MISTY LIKE THE WIND」ミディアム・テンポになると歌声も軽やかで伸びやかになるみたい。 前半を締めるのにちょうどいい充実感がある歌です。 盤面をひっくり返したくなります。
そしてB面、「BEGINNIG」がアップテンポでじつにカッコイイ。 後の秋本さんの歌のスタイルはここから出ている感じでしょうか。
続く「WHY AIN'T YOU A BACHLOR ?」はスローになって、冒頭「両切りの Camel を口にくわえ」の歌詞、特に「Camel」の歌い崩しにドキっとする色香を感じます。 Camelのタバコなんて吸ったことないですけども。
「JOYFUL DIXIELAND」は一転してカワイイ声で甘く明るく歌い、「RUSSIAN ROULETTE」では題名から想像するように暗く妖しく歌い始めますけど、途中の回想シーンでメジャーに転調したときの自然な明るさへの移行、歌の表現力の幅がグンと広がっているのを感じます。
「NO ONE EVER LOVED YOU SO」チャカポカと鳴っているバックの上を緩やかに、別の恋人をつくって離れた恋人を思い出し「すべて許せる」と歌ってます。
この曲、今歌ったらもっといい感じになるんじゃないかな。