2006年11月11日

「浪漫幻夢」 (藤真利子) 1981年


cl2.jpg女優の藤真利子さんがテイチク・コンチネンタルレコードに吹き込んだ最初のアルバム。このあと思いっきりニューウェイヴしてからヨーロピアンになって歌手から引退かしら(?)。

いわゆるニューミュージック系ですけど、随所に怪しい魅力を感じさせる佳作アルバムです。

バックバンドは一流どころを従え、全曲瀬尾一三編曲、作家には松任谷由実(作詞/作曲)、松任谷正隆(作曲)、南佳孝(作曲)、岸田智史(作詞/作曲)、湯川れい子(作詞)、三浦徳子(作詞)という面々に加え、藤真利子名義での作詞/作曲が2曲、微美杏里藤真利子)名義での作詞が1曲(作曲は南佳孝が担当)。 いきなり凄いことやってます。

A面1曲目「裸足の伯爵夫人」(三浦徳子/南佳孝)から誘惑的で倦怠感も感じさせる女優的な歌唱。 続く「地下室のパーティ」と「青春の終わりに」は岸田智史作品で、ちょっと教科書的な感じもさせるバラード。「ウィスパー・トゥ・ミー」(湯川れい子/松任谷正隆)や「雪だより」(松任谷由実)での息を抜いた歌唱は可愛くでもどこか裏もありそう。

B面「Gemini Vs Capricorn」(微美杏里/南佳孝)は軽快なポップス。 歌詞カードの南佳孝さんからのメッセージは
私の命のかかったレコードを、微美さんの作詞の実験台に決してしないで下さい。 ニューミュージックにこだわらず、幅広いご活躍をお祈りしています。
見事にこのあと開花したと思います。
The light in the memory 」(藤真利子)は名曲でしょう。 フュージョン調のアレンジも素敵ですけど、何より怪しさの滲み出たバラード。 作曲の能力もホント素晴らしい。 「シーズンオフの心には」(松任谷由実)は明るめのスローバラード、個人的にはちょっとパスかな。 「PIERRE! PIERRE! PIERRE! 」(藤真利子)は実験的要素も含んだ台詞付きの歌曲で8分30秒の大作。
歌詞カードの藤真利子さんからアレンジの瀬尾一三さんへのメッセージ
私は瀬尾サンに「地球人とは思えない」と言われました。 でも私にとって瀬尾サンは、とても宇宙人とは思えない感覚の持ち主であると思うのであります。

posted by fronte360 at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 05〜10-JPOP音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする