2006年10月01日

セント・マーティン・オーケストラ 第3回定期演奏会にて


覇気のある演奏会でした、集中力も高く、ソリッドに響くベートーヴェンを堪能しました。

StMartin_3th.jpg3回目の定期演奏会でやっと伺うことができました。
創立したときからご招待いただいていて、気にはなっていたのですが、ブッキングしたりヤボ用があって伺えませんでした。 今回も危なかったけれど、奥さんに救われ、途中抜け出して会場に走りました。

雨なのにギャラリーを除くと7割くらい入っていたでしょうか。
東灘区民ホール(うはらホール)も初めてなのですが、駅から直結なんですね、案内板に従って進んでゆくと傘をささずにホールにたどり着けたし、綺麗なホールに少々驚きました。

さて演奏は、河崎聡さんの指揮のもと、覇気のある引き締まった演奏に圧倒されたような感じです。 河崎さんの指揮は、指揮棒を下から上に挙げる動作にキレがあり、必然的にオケもキレの良い響きで反応して覇気を感じます。

いきなり脱線しますが、河崎さんというと、2002年5月の奈良女子大学管弦楽団スプリングコンサートでのシューベルトのグレート交響曲が忘れられません。 冒頭に事故があってどうなることかと思っていたけれど、終始速いテンポ設定、決して好きなテンポではないしミスも散見されましたが、そんなこととは関係なく気持ちの良くなる堂々とした演奏に感動し、アマチュアオーケストラによる音楽の醍醐味を味わったことを思い出します。

それから4年、河崎さんのお名前を目にすることがなかったのは、ロシアの留学されていたからなのですね。 パンフレットで知りました。 そして見た目にも以前よりも恰幅の良さを感じます。

今回の演奏会では、やはりメインの英雄交響曲が一番素晴らしかった。

流麗に曲を運び、要所をソリッドに決めつつ、ぐぃぐぃと推進力を持った演奏でした。 少人数のオケとは思えない、音量と雄大さと引き締まった音楽を堪能。 いや、逆にこの人数だからこそ、ここまで纏まった演奏が出来るのかもしれませんね。 とにかく若々しくスカッとする気持ちのいい演奏でした。

最初から最後までノリノリっていう感じでしょうか。 起伏や緩急をつけつつも、決して流れが滞らないのがいいんですね。 そしてまたオケの巧さもあって、対抗配置にした弦楽器の分奏や、木管、金管、打楽器がそれぞれ持ち場をしっかりと決めているのが手に取るように分かり、英雄交響曲を皆で支えている風通しの良い演奏でもありました。 もちろんパワーも十二分にあるから見事なんですね。

中プロの安田伸子さんのピアノによる協奏曲第3番。
安田さんのピアノは輝かしいタッチ、粒立ちの良い響きがとても印象的でした。 オケも覇気を持ってサポートとあいまって、凛としたベートーヴェン。 軽やかなんですけど芯の強さもあり、ときにキラキラっと輝くのが素適でした。
ただしやや一本調子というかインテンポで突き進んだみたいでした。 個人的にはもうちょっと歌って欲しかったですけどね。
今回は3にちなんだ演奏会で第3番でしたけど、第1番の協奏曲ほうが似合っていたかもしれないなぁ〜 なって思って聴いていました。

そして冒頭のエグモント序曲は、元気いっぱいでソリッドに響く演奏が全開。
音痴な僕が言うのでアテになりませんが、なんとかく管楽器(特に金管楽器)のピッチがやや高かったのでは? よく言えば、煌びやか、なんでしょうが、全体よりちょっと浮いて聴こえてきてました。
もっとも打楽器も強烈な打音で盛り上げていて、ぎゅっと纏まってはいるのですけれど、やや騒々しさを抑えきれないような感じだったかな。
でもオケとしてはとてもよく纏まっていて、やる気とポテンシャルの高さは十分に感じた演奏でした。

とにかく若々しくて気持ちのいいベートーヴェンの演奏会でした。
posted by fronte360 at 20:58| Comment(2) | TrackBack(1) | 05〜12-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする