2006年07月02日

ならチェンバーアンサンブル 第71回定期演奏会

nara ch_71th.jpgモーツァルト生誕250年記念〜神童をとりまく名手たち〜と題された演奏会
鈴木豊人さんのクラリネットによる五重奏曲に酔いました。

鈴木豊人さん、サイトウキネンや紀尾井シンフォニエッタで活躍されている名手ですが、ならチェンバーにも機会あるごとに出演されており、いつも楽しみにしています。

そして今回も、鈴木さんらしい、暖かくて陽性の音楽を堪能しました。
第2楽章、まろやかな太い響きが甘く響き、ゆったりと暖かな音楽にそって時が流れてゆきました。
第3楽章の冒頭、息が合わずにやり直す場面もありましたけど、破顔一笑、和気藹々とした雰囲気で再開できたのも鈴木さんの人柄によるところ大なのではないでしょうか。

大きな動きから流れ出るクラリネットの旋律、いや逆にクラリネットの旋律に合わせて身体が動いているいるのでしょうが、いずれにしても気持の乗った演奏は、ほんと気持いいですね。

アンサンブルのメンバーも、弦楽四重奏曲第21番(プロシア王セット第1番)では緊密なアンサンブルが生真面目にも思える場面もありましたけれど、クラリネット五重奏曲では誠実さと軽やかがうまく同居して角の取れた演奏を楽しませていただきました。

なお冒頭には、2005年度の奈良市の新人オーディションに合格された柴田華奈さんのフルートによる四重奏曲第1番。 柔らかくて伸びやかな大型新人ですね。
あとは演奏を数多くこなし、表現に自由度が備わったら素晴らしい奏者になるのではないでしょうか。 誠実なアンサンブルで清新な演奏を楽しみました。

あと嬉しかったことは、鈴木さんがアンコールにシューマン没後150年の話題を出してくださって「夕べの歌」が演奏されたことですね。 モーツァルトのあとにシューマンを楽しめた素適な演奏会でした。

午前中出勤して、大阪から奈良まで駆けつけて大正解でした。

posted by fronte360 at 21:16| Comment(0) | TrackBack(1) | 05〜12-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする