2006年07月04日

アブラヴァネル、ブラームス/交響曲第4番

以前アマオケの女性ヴァイオリン奏者の方がブラームスの交響曲が好きだという話を聞いたとき、そういえば、このところブラームスの交響曲を聴いていないな〜 なんて思ってましたが

先日もメールで別のアマオケ女性ヴァイオリン奏者の方がベートーヴェンブラームスが好きだ・・・ってことで、ブラームス交響曲を連続して聴くことにしました。

svc19.jpgブラームス交響曲ならば、クルト・ザンデルリンク指揮シュターツカペレ・ドレスデンの演奏に落ち着いてしまうのが常なのですけれど、引き続きモーリス・アブラヴァネル指揮ユタ交響楽団の録音をターゲットにしてみました。

このCD、初めて聴いたとき、とてもしっかりした演奏なのに驚いた経験があります。 秘蔵の名演奏、とまではいきませんけれど、ヘソ曲がりだし、このようなマイナーな演奏を採り上げることも自分らしいところでしょう。

と意気込んで聴き始めましたが・・・
間違ってスィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリンの演奏を聴いたのに気づいて、慌てて聴きなおしました。

はからずも余韻のとり方など、風格がまったく違うことに気づいてしまいましたけど、でもなかなかどうしてアブラヴァネル盤も全ての楽器を巧く鳴らしてブレンドした演奏じゃないでしょうか。

オリジナルマスターテープからの20bitリマスター、SBM録音ということもあり、シャキっとした録音です。 ことにヴィオラなど、本当にしっかりと演奏しているのが手に取るように分かります。

第3〜4楽章は、非常に熱い音楽としていますよ。
フレーズをビシッ、バシッと切るようにして、ぐいぐいと進めてゆくあたり、アメリカのオケの特長かもしれませんね。

アブラヴァネルは作曲家でもあるから、名人芸に頼ったり雰囲気に流されることなく、スコアに忠実に音楽を作っているのかもしれません。
とにかく、色々な楽器が等価的に鳴っているような感じです。 曖昧さのない演奏ですね。

熱い演奏を楽しみました。 これからも楽しみです。

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2006年07月03日

アブラヴァネル、マーラー/交響曲第1番「巨人」

アブラヴァネルによるマーラー交響曲シリーズ
第9番から逆順で遡って聞き進めてきましたが、いよいよこれが最後の第1番、けっこう気合の入った演奏に感心しました。

08_6163_71.jpgこの第1番、じつはLPレコード時代から持っていましたが、あまり印象に残ってません。
カットアウト盤で、ジャケットも馬糞紙なんて呼ばれてたボール紙で出来てますので、それだけでなんか録音悪そう・・・なんて思っていたからかもしれません。
当然ながら安いから捕獲したまでで、
アブラヴァネル/ユタ交響楽団って何、こんなオケでもマーラーの演奏やるんや〜、って感じでしたものね。

ワルツ堂日本橋1号店で、第8番第1番が売られてて、試しに第1番を買ったのでした。
数日後行ったら第8番が消えていて、こんなの買う人もいるんや〜 って驚いた経験あります。

でも改めて第1番を何度も聴きかえしてみましたけれど、熱い演奏ながらもカチっと纏めていているのがいいですね。 作曲家でもあったアブラヴァネルらしく、きちんと構成された音楽世界。 その枠内で熱く演奏しているって感じでしょうか。

これで終わりですけど、本当は第10番アダーショも持ってます。
第9番のフィルアップとして入ってますが、こちらもまた誠実なながら熱い演奏ですね。

バーンスタイン/NYPと競うようにして完成されたアブラヴァネルマーラー交響曲全集。 どっちが先に完成したのか・・・

バーンスタインのにはこの第10番がありません。
でもアブラヴァネルには交響曲「大地の歌」が無いのですね。
ということで、どっちもどっちてことかしら。

さあて、そんなことはさておき、今週もまた忙しいんでしょうね。
次は、アブラヴァネル/ユタ交響楽団で、ブラームスの交響曲でも聴いて頑張りましょうか。

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2006年07月02日

ならチェンバーアンサンブル 第71回定期演奏会

nara ch_71th.jpgモーツァルト生誕250年記念〜神童をとりまく名手たち〜と題された演奏会
鈴木豊人さんのクラリネットによる五重奏曲に酔いました。

鈴木豊人さん、サイトウキネンや紀尾井シンフォニエッタで活躍されている名手ですが、ならチェンバーにも機会あるごとに出演されており、いつも楽しみにしています。

そして今回も、鈴木さんらしい、暖かくて陽性の音楽を堪能しました。
第2楽章、まろやかな太い響きが甘く響き、ゆったりと暖かな音楽にそって時が流れてゆきました。
第3楽章の冒頭、息が合わずにやり直す場面もありましたけど、破顔一笑、和気藹々とした雰囲気で再開できたのも鈴木さんの人柄によるところ大なのではないでしょうか。

大きな動きから流れ出るクラリネットの旋律、いや逆にクラリネットの旋律に合わせて身体が動いているいるのでしょうが、いずれにしても気持の乗った演奏は、ほんと気持いいですね。

アンサンブルのメンバーも、弦楽四重奏曲第21番(プロシア王セット第1番)では緊密なアンサンブルが生真面目にも思える場面もありましたけれど、クラリネット五重奏曲では誠実さと軽やかがうまく同居して角の取れた演奏を楽しませていただきました。

なお冒頭には、2005年度の奈良市の新人オーディションに合格された柴田華奈さんのフルートによる四重奏曲第1番。 柔らかくて伸びやかな大型新人ですね。
あとは演奏を数多くこなし、表現に自由度が備わったら素晴らしい奏者になるのではないでしょうか。 誠実なアンサンブルで清新な演奏を楽しみました。

あと嬉しかったことは、鈴木さんがアンコールにシューマン没後150年の話題を出してくださって「夕べの歌」が演奏されたことですね。 モーツァルトのあとにシューマンを楽しめた素適な演奏会でした。

午前中出勤して、大阪から奈良まで駆けつけて大正解でした。

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2006年07月01日

漆工芸(大和文華館)、ギュットラー

このところの疲れからぐったりしてましたけど、奥さんに誘われるまま、昼すぎより大和文華館に行ってきました。

yamato-bunka-kan060701.jpg漆工芸−東洋の輝き−と題された展示で、明日までが会期なんですが、2名まで招待されるハガキがあったので無駄にすることもありませんしね。

漆工芸って輪島塗とかしか思い浮かばないのですけど、それはなく、蒔絵のたぐい、高台寺蒔絵とか(パンフレットの表紙は秀吉・北政所が愛でたという秋草文盆だそうです)、根来塗り(慣れない坊さんが下塗りを塗ったからかえって侘び寂びが出たとか始めて知りました)、多くあって印象深いのが螺鈿のものですね。 

貝を使って模様を彩ったのが螺鈿なんですが(さすがにこれは知ってました)、桃山時代から江戸初期にいわゆる南蛮人のトランク(宝島でタカラが入っているようなカタチのもの、目録には箪笥とかかれてますけどね)に螺鈿を使ったものを輸出もしていたようです。 これは見応えありました。 

日本人って、この頃から欧州調の陶器なども焼いて輸出しているのですけど、このようなトランク(箪笥)も作っていたとはね、貿易立国のルーツのひとつを垣間見たような気がして感心しました。

ということで帰宅してから、これが作られた17世紀頃(J.S.バッハが活躍する1〜2世代前でしょうか)の音楽と思って出してきたのが・・・

et5009.jpg栄光のトランペット/バロック祝祭音楽集」徳間音楽工業のドイツ・シャルプラッテンのLPです。
ヘンヒェン指揮ベルリン室内管弦楽団をバックに名手ギュットラーなどがトランペットを吹いています。

トランペットは天上人の奏する楽器として、普通の楽器とは違った位置付けだったとも聞きます。 だから様々な祝祭音楽をトランペットが演奏しているのでしょうが、ギュトラーの響きはよく似合っていいですね。 端正ながらも、煌びやかさとまろやかさを併せ持ったな感じ。

天上の音楽に癒され、明日の午前中は会社に参りましょうか。
posted by fronte360 at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 05〜10-散歩(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする