定年退職された方や主婦の方が主体の室内オーケストラのアンサンブル・コスモリバティの演奏会に行ってきました。

合奏協奏曲などのソロは、歳はとっていても瑞々しく艶やか、でも控えめなのがよかったですね。 我ここに在り、のようなのは皆無。 演奏後に指名されて立たされても、はにかんでいらっしゃるのを見て、いくつになっても音楽を楽しめて、いいなぁ〜と思えた演奏会でした。
中でも素晴らしかったのは早川正昭さん作曲の「バロック風日本の四季より『春』」。
第1楽章に滝廉太郎の「春」、第2楽章には日本古謡の「さくらさくら」、そして第3楽章には岡野貞一の「春が来た」を主題に合奏協奏曲形式で纏めた作品ですが、演奏者の共感もあるからでしょうね、春のやわらかな陽光を感じさせて伸びやかな気持ちになりました。
そしてメインとなるモーツァルトの交響曲第40番もまた、モーツァルトを愛する心が伝わってくるような演奏でした。 気持ちを乗せて丁寧に響きを重ねたモーツァルト。 熱っぽくもありました。 また木管アンサンブルの美しかったことも特筆しておきたいですね。
理詰めで音楽を聴いたり演奏するのとは違う楽しみを感じた演奏会でした。
なおコスモリバティとは、COSMOS(宇宙)とLIBERTY(自由)の合体造語だそうで「自由な時間に気宇壮大な夢を見て人生を楽しむ」という意味でネーミングされたそうです。
このような人生の先輩方を見習わなくては・・・