
いつもながら本名さんの指揮される演奏は、聴いているこちら側にまで、身が引き締まるような真摯さを感じさせますね。
初めて聴く曲ばかりなので、曲や演奏についてとやかく言えようもなく、表現に困ってしまいますが、月並みながらいい演奏会でした。 英語なら interest という言葉になるのでしょうか。
個人的には、最後の「ピアノ協奏曲第2番」(1934)が一番面白く聴けました。
ボストン時代の経験からでしょうか、どこかジャスの香りがしたのは気のせい?
あとラベルやガーシュウィンなどの協奏曲にも、似ているとは思わないけど、雰囲気に近いものを感じました。
リズミックでキレ味良い独奏、オケともに充実した演奏を食い入るように聴いてました。
「「'さくら'の声」ソプラノとオーケストラのための」(1935)は、お馴染みの「さくらさくら」をモティーフにした作品。
確かに日本的はあるんですが、インターナショナルな音楽として洗練された歌曲ですね。 最後はオケと声楽が渾然一体となり、とても面白かったなぁ。
一番近しいものを感じたので、会場のウケは一番よかったのではなかったかな。 黒澤映画に出てくるような音楽・・・そうかもしれません。
冒頭の「交響曲第2番」(1934)は、意気込みを感じました。
寄せては返す喧騒の響きと柔らかな響き、延々とこれが繰り返されて発展してゆく感じだったでしょうか。 先取の気質あふれ、理知的な感じのする音楽でした。
本名さん、いつもの器械体操みたいな指揮で交通整理をし、時に揺らせたりもしてましたけど、終始キレのよい演奏で纏めてました。 オケも気合入ってましたね。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」に出てくるような音楽・・・??(観たことないから分かりせんが)
いずれも1935年11月8日のパリ初演時の演奏会の再現となっていて、日本でも60数年ぶりの再演だそうです。
このような貴重な機会に立ち合わせていただき感激しながら聴いていました。
なお東京公演は3月12日(日)紀尾井ホールにて開催されます。
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