2006年01月29日
神戸市民交響楽団 第57回定期演奏会にて
個人的には一番最初に演ったドビュッシーが新鮮でよかったですね。 日頃フランス音楽を聴かないこともあるのですけど、人数を絞り込んだオケで明るく軽やかに漂うような演奏に魅了されました。
続く三角帽子、一転して弦楽器が 14-16-11-14-8 となった大編成オケでの演奏でしたけど、派手さを抑えた好演でしたね。 大河内さんの指揮によく付いていったなぁという感想もあります。 真摯なオケに拍手。
そしてメインのドヴォルザークのチェロ協奏曲、こちらも大編成のオケを従えての河野文昭さんの真摯なチェロの演奏。 オケはここでも誠実なバックを勤めていました。
ただ、2,000名も入る大ホールでの演奏ですから、音量はありましたけどちょっと平板な感じに聴こえたようにも感じましたけど。 1階席の前の席だと印象はもっと変ったでしょうねぇ。
いずれにしても、今回は大河内雅彦さんの指揮のもと、どの曲もとてもよく纏まった演奏でした。 義理と人情のオーケストラ、KCOらしい誠実な演奏に会場も終始暖かい雰囲気に包まれてたいい演奏会でした。
2006年01月28日
おおさか・元気・文楽 にて
特に今回、人間国宝の竹本住大夫さんの太夫(語り)、やはり人間国宝である吉田蓑助さんの人形という豪華な組合せで、「菅原伝授手習鑑」という有名な演目でしたものね。 感激もまた一塩でした。
寺子屋の段の切(前半)での、住大夫さんと野澤錦糸さんによる浄瑠璃、素人ながら巧いなぁと聞き惚れましたし、
奥(後半)ではラストシーン、松王丸の女房千代を操った吉田蓑助さんの技に、豊竹咲大夫さん野澤燕二郎さんの浄瑠璃が相まって、思わず涙しそうなほど惹きこまれました。 感激しました。
残念ながら、今年は気付くのがちょっと遅れ、先々週ようやくチケットを捕獲したことからS席は既に完売。 今回、A席(大人1,000円、学生500円なのは有り難い)での鑑賞で1階席の後ろの方。 それでも中央だったので全体をよく見渡せたのは良かったかもしれません。
確かに、もうちょっと大きく見えたらなら(前の席だったら)、人形の迫力も更に増したように思いますけどね、それでも真迫の人形の操作(演技)は、充分に感動に値するものでした。
逆にこんな遠くからでも、感動を与える操作(演技)にも驚いたしだいです。
なお、話は変わりますが、この寺子屋の段には「よだれくり」と名づけられた15歳の子供がいて、勉強をサボってたしなめられる役なのですが、人生幸朗・生恵幸子のぼやき漫才の終わりで幸子師匠が人生師匠に
「いつまでも何うだうだ言うてんね、この、よだれくり!」
と一喝して「ゴメンチャイ」と謝ってましたけど、この「よだれくり」って「菅原伝授手習鑑」の寺子屋の段(正確には寺入りの段)からきていたとはね。
昨年は三人奴による「壺坂観音霊験記」の漫才を思い出しましたけど、かつての上方のお笑い文化はじつに奥が深いですね。
とにかく上方を代表する文楽、もっと観なあきまへんなぁ
2006年01月25日
そろそろモーツァルトの誕生日
「金曜日、27日はモーツァルトの誕生日です」
との男性アナウンサーが伝えてましたね。
モーツァルト生誕250年、国民的な慶賀みたい・・・
モーツァルトは好きですけど、以前ならこんな報道には、フン!、な〜んて思ってましたけど、
馬齢を重ねたせいでしょうね、願わくばこれでもっとクラシック音楽ファンが増えてくれたならね・・・なんて思ってみたり。 まっ、いいんじゃないでしょうか。
さて個人的には、先週末、内田光子(p)、テイト/イギリス室内管によるピアノ協奏曲(全部もってなくて、5,6,13,14,20,21,24,26番のみ)と、ワルター・クリーン(p)によるピアノ・ソナタ(VoxBoxの2枚組み×2)をパソコンに録音。
ということで月曜日は内田光子の21,26番を楽しみながら出勤。 カデンツァはともに内田のものを使ってますけど、けっこう端正な感じがいいですね。 オケが元気なんで華やかな感じはしますけど。 そういやぁ、ジェフリー・テイトってどうしたのかしら
このところシューマン中心でしたけど、ちょいと今週は Mozart Week にしましょう
2006年01月22日
大阪市音楽団 みやこじま新春コンサート にて
お目当ては、井村誠貴さんが指揮される大阪市音楽団の演奏会ですが、期待どおりの楽しい演奏会でした。
実は昨日、京都までアンサンブル・ギリビッツォの演奏会+京都大学交響楽団のダブルヘッダーに行くつもりでしたが、長男のバスケの試合が西宮であったので断念。
本来、今日は休養日にするつもりでしたけど、良い天気でしたし、家でボケっ〜としてても何も変わらないので、思いたって家を飛び出しました。
10分程まえに会場に到着。 すでに他の演目が終わってて、会場は満員。 パンフレットも貰えませんでしたけど、講堂のようなステージに、エンジ色の緞帳に大阪市の澪つくしのマークが懐かしかったですよ。 やっぱり大阪人なんやなぁ〜と思ったしだいです。
立ち見で壁にもたれて1時間、たっぷりと音楽を楽しませてもらいました。
個人的には、服部良一ヒット曲メドレーがよかったですね(湖畔の宿 〜 銀座カンカン娘 〜 山寺の和尚さん 〜 蘇州夜曲 〜 懐かしのボレロ 〜 一杯のコーヒーから 〜 青い山脈)。 懐メロ好きですもんね。
小さい頃、親といっしょにコタツでゴロゴロしながらTV(昭和30年代の後半ですから、もちろん真空管式のモノクロTVですね)で耳にしたんだよな〜 なんて思いながら聴いてました。
会場に多くいらしたおじぃちゃん・おばぁちゃんたちも喜んでらしたのではないかな。
中年のおじさん向けには、松田聖子メドレー(赤いスイートピー 〜 夏の扉 〜 SWEET MEMORIES 〜 風立ちぬ 〜 青い珊瑚礁 〜 あなたに逢いたくて- Missing You - )、女子高生には「恋のマイアヒ」や「ハウルの動く城」の音楽など、1時間なのに盛りだくさん。
そしてアンコールの「マツケンサンバ2」で最高に盛り上がりましたね。
これが今年最初の演奏会でしたけど、とてもいい雰囲気で、大いに楽しませていただきました。 幸先の良いスタートを切らせてもらいました。 今年も楽しい演奏、いっぱい聴きましょう。
2006年01月19日
メモリ・プレーヤの音質
このプレーヤを毎日の通勤時には必ず持ち歩いてます。
最近は首にかけるストラップにぶら下げ、背広の内ポケットに入れてます。
ちなみにこのストラップ、会社に入ると、プレーヤを外して、代わりに名札をぶら下げています。 そして退社時は、名札を外し、プレーヤを取り付けて帰ります。
以前は、CDプレーヤ型のメモリプレーヤでしたが、通勤時にはかばんに入れ、毎日持ち歩いてました。
CDプレーヤ型なんで、もちろんCDも聴けるのですけど、いつもCD−Rに焼いたMP3やWMAのファイルを聴いてました。 この方が、大量の音源を持ち運べるし、電池の持ちもよかったのですね。
まず、この両者の音の違いですが・・・ 軍配はCDプレーヤ型に上がりました。
同じMP3やWMAのファイルを、方やCD−R、方やフラッシュメモリから読み出しているので、あまり変わらないかな〜、なんて思っていたのですけど、
同じデジタル・オーディオといっても、再生装置に依存するのですね。 当たり前といえば、当たり前ですけどね。 ちょっとびっくりしました。
もちろん、同じヘッドホンを使ってますので、再生回路の質の問題でしょうね。
フラッシュメモリのプレーヤは、聞き比べてみると、けっこう痩せた音なんですよ。
最初から、なんとなく痩せた音の感じがしていたので、低音域が持ち上がるクラシック音楽用のイコライジングを使ってましたけど、今回の結果を受けて、中〜低音域をさらに増強させるようにしました。
CDも再生しなきゃならないため、CDプレーヤ型のは増幅回路が複雑に出来ているのかもしれませんね(素人考えですけど)。
あとフラッシュ型は小型にするため、回路を省略したLSIを使っているとか(これも素人考え)・・・
とにかく音楽を本気で楽しむには、CDプレーヤ型にCDを入れて聴くのがイチバン音が良いのですね。 臨場感など全然違います。
でも、フラッシュメモリ型の小型軽量、しかも電池の持ちが格段に良いのが魅力。
だからまったく後悔していません。
特にこの機種、販売中止になってしまいましたけど、単三電池で駆動させるのがいいんです。
もちろん充電池を使っています。 ちなみに、電池の残容量インジケータの設定で、充電池が選択できて、充電池特有の電圧降下に近づけた表示もできるのがウレシイところです。
これまで、CDプレーヤ型のでは充電池2本使い、予備に2本の充電池を持ち歩いていましたけど、現在は、プレーヤに1本と、予備電池も1本で済んでます。
充電池1本で、1週間は優に使えますものね。
なおCDプレーヤ型では1週間ギリギリ持たなかったんで、毎週のように充電してました。
と、ここまで書いて気づきましたが、
先日の比較では、CDプレーヤ型のはACアダプターを使ってました。
電源が強化されると、音質が向上するのはよく知られていますので、この点では公平ではなかったですね。
今度(いつになるかわかりませんが)、CDプレーヤ型のに充電池を入れて聞き比べてみましょう。
2006年01月15日
シューマン没後150年
ということでモーツァルトのCDがよく売れているそうですし、TV番組などでも特集されていたりしますね。
ちょっとしたブームみたいで、日頃クラシック音楽を聴かれない方も、モーツァルトのCDを買っておられるとか・・・ これは良いことです。
しかし、ちょっとハイソでクラシック音楽への造詣の深いファンの方は、モーツァルトよりもショスタコーヴィッチ生誕100年のほうが、興味あるところかもしれません。
確かに、こっちに興味惹かれる部分もあるのですが・・・ひねくれ者である僕の場合は、
シューマン没後150年のほうに、より大きな興味を持っています。
ということで、手持ちのシューマンのCDをメモリ・プレイヤーで聴くべく集めてみたのですが・・・
ほとんど交響曲ばかり・・・ これ以外の録音のあまりの少なさに、もう愕然としちゃいました。 確かにシューマンの交響曲は好きですけれど。
助っ人としてクララ・シューマンの録音も交え(なんと今年はクララ・シューマンの没後110年でもあります)、何とか揃った録音をプレイヤーに入れて聴き進めています。
ということで、今年はシューマン・イヤー
これら日頃聴いていない曲も丁寧に聴いてゆきたいと思っています。
とにかく、シューマンを聴いていると、青年の心のたぎり・完結されない矛盾のようなものを感じ、ちょっと青臭くもあり、若返ったような気になったりしますしね。
ショスタコーヴィッチにまで手が届かない、にわかクラシック・ファンには、シューマンはいいターゲットかもしれません。
2006年01月12日
今日も元気だ、現代音楽が面白い
本業のプロジェクトが忙しさを増していることに加え、
その他の仕事も色々と面倒みている関係もあって、
このところサイト更新もままならない状況でしたが・・・
やっぱり年始も変わっていませんねぇ。
心機一転もうちょっとアクティヴになれるかと内心は思っていたんですが・・・
それでも、年始はいろいろなことが断ち切れてしまったため、
忙しいとはいっても、仕事のストレスの溜まり具合がまだ少ないようです。
会社に行くのが憂鬱なときには・・・
通勤電車の中でモーツァルトのピアノ協奏曲を頻繁に聴いていたりするわけですが、
このところ元気なんでしょうね、現代音楽を面白く聴いています。
というほど数多く現代音楽の録音を持っているわけではありませんが、
昨年末に入手したアフィニス音楽財団によるCD(サウンドレポートNo.30)に
収録されていた以下の録音を持ち歩いています。
石井真木/響詩「幻影と死」
武満徹 /「系図」〜若い人のための音楽詩(1992)
後者は、調性感の強い武満さんの後期の音楽ですが、
前者の石井さんのは、相変わらずの無調の尖がった音楽、これぞゲンダイオンガク・・・
っていう感じです。
そしてこの「幻影と死」は石井さんの遺作ですね。
平清盛の栄華と死を取り上げたバレエ音楽を交響詩にしたものだそうですが、
実に豪快にオケが鳴っています。 しかもライヴとは凄い。
(高関健/群馬交響楽団 2004.5.15 第409回定期演奏会より)
現代音楽って、新しい音楽のことですから、
どこかで耳にしたような響きとはまた違って、日頃使わない脳ミソの部分が刺激されるようなのが、いいですね。
いつも聴きたいとは思いませんが、こおいうのが、けっこう心地よく、爽快だったりするのは・・・
やっぱり、元気のいい証拠、なんでしょうね。
2006年01月01日
年始にかえて(モーツァルト ピアノ協奏曲第19番)
いずれも素晴らしく良い天候に恵まれた日々でした。
初日の13時半、南紀の陽光が燦々と降りそそぐ紀伊田原駅に降り立ったとき、
頭の中では何故かモーツァルトのピアノ協奏曲第19番の冒頭が鳴り響いていました。
それはもう、ヘッドホン・ステレオで聴いているかのように、
各楽器の旋律が絡みあっているも分かるほど鮮明に鳴っていました。
今族の旅行、家族それぞれ、色々とあった1年間の棚卸をするような気持ちを胸に紀伊田原まで来たと思います。
決して、この其のように楽しいことばかりの1年ではなかったのですが、
何故か僕はこの駅に降り立ったときに鳴り響いていたこの音楽が、
旅行中まったく頭から離れることはありませんでした。
単に南紀の陽光のせいでしょうか・・・
とにかく、今年もこれからまだまだ試練のような日々が続くと思いますが、
今年1年、やはりモーツァルトのピアノ協奏曲とともに過ごしてゆきたいと思います。
だから年始もやはりモーツァルトのピアノ協奏曲第19番です。
モーツァルト ピアノ協奏曲第19番 K.459
アンネローゼ・シュミット(p)
クルト・マズア指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
(BERIN Classics 0031042BC)