2005年08月07日

天理シティーオーケストラ 第5回定期演奏会 にて


2005080823275cc1.jpg「運命」と「ロマンティック」、メリハリつけた躍動的な音楽を楽しみました。

ドイツ2大交響曲の饗宴、と題されたちょっと(かなり)重いプログラムの演奏会でしたが、
ゲストコンサートマスターに金関環さんを迎えて充実した弦楽器群に加え、
木管楽器が実に瑞々しく、曲に清新さを与えていたようです。

ベーレンライター版を使い、軽快に曲を進めながらも、端正に纏めた運命。
推進力があって、しかも聴き応えも十分。
この演奏によって最後まで運命を聴かれた方も多かったのではないでしょうか。

まったくもって飽きさせない演奏で最後まで駆け抜けました。
演奏終了後の拍手の大きさが会場の反応の良さを物語っていました。

それに比すると「ロマンティック」での拍手の反応はちょっと鈍かったのですけど、
緻密に組み合わされた充実したアンサンブルが見事でした。

客席の反応の鈍さは、そもそも曲が長く、繰り返しが多かったことでしょうね、
「ロマンティック」を始めて聴かれた方も多かったのでしょう、
第1楽章の長さだけで参ったうえに、第2楽章で沈没した方も多かったようです。

でも、こちらも実に素晴らしい演奏でしたよ。 

響きを抑え込んだ弦のトレモロにホルン・ソロ、
よく言われる例えですが、霧のかかった森の中から響いてくるような感じがよく出ていて、
そして弦のヴォリュームを少し上げると、ホルンの音量を少し下げ、見事なコントロール。
そして今度は木管アンサンブル、同じように頭を縦に揺らし、綺麗に揃えて引き継いだあと、
厳かでかつ迫力ある金管ファンファーレ、この冒頭から惹き込まれました。

横一線に6本並んだホルンが壮観、
その横にはトランペット4本が並び、その後ろにはトロンボーンとチューバが控えてます。
安野さん、その金管を鳴らすときにはゆったりと振り、まるで祈るような音楽としていたのも印象的でした。

弦楽器は、金関さんの動きがかなり目立っていましたけど、
ヴィオラ・チェロといった中音域の充実振りが素晴らしかったし、
コントラバスもとてもよく締まっていました。

各楽器が緻密に響き合うブルックナーの音楽、最後までこれが途切れることなく見事な演奏を楽しまませていただきました。
素晴らしい「ロマンティック」の演奏でした。

posted by fronte360 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 05〜12-演奏会にて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする