
ウェーバーのオベロン序曲、ダイナミックな演奏でした。
冒頭のホルンがいい響きで開始、丁寧に音を紡いだあと、井村さんの左足で踏み込む音が気合の強さを物語っていましたね。 轟音といってもいいくらいの音に続いて、滅茶苦茶速い音楽が迸り出てきました。
それを、すっ〜と引き込むように収めて、またダイナミックに盛り上げてワクワクしてきました。
シューベルトの「未完成」、後期ロマン派みたいに音楽がうねっていましたね。
この曲、名曲なんで耳にすることも多いのですけど、これほどまでに曲の偉大さを伝えるような演奏って初めてじゃないかな。
ベーレンライター版、なんてパンフレットに書いてありましたけど、スコアの違いよりも、指揮者とオケのやる気がバンバンと伝わってくるような熱演でした。
ある種十九世紀的とか、大時代的な感じを持たれた方もいらっしゃるかもしれませんけれど・・・この演奏が一番気に入りました。
メインのドヴォルザークの交響曲第7番もまた同傾向でした。
両端楽章、特に第1楽章にはかなりチカラが入っていましたけど、中間楽章はややおとなしく纏めていたような感じかな。
終楽章になると低弦も頑張ってましたけど、もう少し数がいると(4名でしたものね)粘りも出てきて、より感動的になったかもしれません。
でも拍をズラす部分、あっさりと何事もなかったのように通り過ぎる演奏も多いのですけど、さすが井村さん、全身で力込めてましたしね。
ダイナミックに曲を起伏させて、聴き手に訴えかけるような演奏会。 音楽を堪能したって感じのいい演奏会でした。